流石に気のせいかな
あれから、面白そうな漫画を探してたんだけど、私が好きそうなのを特に見つけられなくて、漫画を探すだけで、かなりの時間が経ってしまった。
まぁいいや。
一応、暇を潰すことは出来たし。
「もうそろそろ、寝ようかな」
そして、少し眠たくなってきてた私は、呟くように、そう言って、私に体を密着させて来てる珠鈴の方を見た。
すると、珠鈴は慌てたように、スマホの画面を私から見えないようにしてきた。
……見るつもり無かった。ただ、一瞬だけ、見えちゃったんだけど、なんか、女の人の押し倒し方、みたいな、女の人同士でのえっちのやり方、みたいなのが書いてあった気がする。
……いや、流石に気のせいかな。……だって、そんなのを私の隣で調べるなんて、危機管理能力が無さすぎるし、そんなわけない、よね。
「う、うん。じゃあ、わ、私も寝よう、かな」
私がそうやって、内心首を横に振っていると、珠鈴は私にスマホを見られてないかと動揺しながら、そう言ってきた。
……見えちゃったけど、気のせい、だと思うし、私は特に何かを気にした素振りを見せずに、頷いた。
「り、璃花、一緒に、寝ない?」
すると、珠鈴は勇気を出したように、上目遣いになりながら、そう言ってきた。
見間違いなのは分かってる。でも、今、そんなことを言われたら、つい、さっき見えちゃったスマホの画面の内容が見間違いなんかじゃなくて、そういうことを珠鈴が私にしようとしてきてるように思えてくる。
「……別に、いいけど」
そうは思ったけど、いくら、今日は色々してきてる珠鈴でも、そこまではしないと思うから、私はそう言った。
それに、もし、珠鈴がそうしてしたとしても、私が本気でやめてって言ったら、やめてくれるはずだし。
……もう、色々と触られちゃったけど、そういうのは、ちゃんと、付き合ってからにしたいから。
「い、いいのっ?」
すると、珠鈴は驚いたように、そう聞いてきた。
珠鈴が聞いてきたのに、なんでそんなに驚いてるの。
別に、寝るだけでしょ。
それだったら、少し前にも、一緒に眠ったし、そんなに驚くようなことでもないと思うけど。
「ん」
そう思いながらも、私は改めて、頷いた。
その瞬間、珠鈴は私に抱きついてきて「やった。……じゃあ、早く寝よ?」そう言ってきた。
……可愛い。……それに、珠鈴の小さいとはいえ、好きな人の胸が当たって、お風呂でのことを思い出してきちゃって、変な気分になってくる。
「…………ん」
私はその気持ちが珠鈴にバレないように頷いて、私の部屋に珠鈴と一緒に向かった。
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