まるで、私の方から
「み、珠鈴っ」
「な、何?」
私が急に声を上げたからか、珠鈴はびっくりしたように、体をビクッ、とさせて、そう聞いてきた。
ただ、私は珠鈴の名前を呼んだはいいものの、何も言えなかった。
だって、珠鈴からしたら、私が下着を着けてないのと同じで、胸を触られるのも、普通のことって催眠術を掛けられてるんだから、ここで何か言ったら、珠鈴に催眠術なんて本当は無いことがバレちゃう。
「喉、乾いたからっ、ち、ちょっと、ど、いて」
だから、私は咄嗟にそう言った。
珠鈴に不自然がられないように。
「あっ、う、うん。分かった」
すると、珠鈴はちゃんと私が催眠術に掛かってることにホッとして、頷いてくれた。
……取り敢えず、お茶でも飲んで、一旦落ち着こう。
そう思って、私から珠鈴が離れてくれた瞬間に立ち上がって、冷蔵庫に向かった。
そして、お茶を飲んで、少し顔を下に向けると、私の胸の硬くなってる部分が服の下から主張してきてるのに気がついた。
……これ、やば。……珠鈴に、こんなの、見られてたのか。
……早く戻らないと、珠鈴に不自然がられちゃう。……でも、戻ったら、また、こんな胸を見られちゃう。
私は何とか服を引っ張ったりして、こんな風になってるのを見られないようにしようとしたんだけど、上手くいかない。
こんな状態のまま、珠鈴の所に戻ったりしたら、まるで、私の方から触ってって言ってるようなものじゃん。
そうは思ったけど、戻らない訳にはいかないから、私は顔……どころか、体まで熱くなってきてるのを感じながら、珠鈴の座っているソファに戻ってきた。
すると、珠鈴の視線が私の恥ずかしい状態の胸にいってるのが、すぐにわかった。
それに気がついた瞬間、思わず胸を手で隠しそうになったけど、私は何とか隠さないように、我慢した。
隠したりなんかしたら、不自然だから。
そして、珠鈴の隣にさっきと同じように座った私は、今度こそ、気を紛らわせるために、さっきのゲームをしようと思って、スマホを取り出した。
「璃花、何、してるの?」
「んっ」
すると、また珠鈴が、感情を感じさせないような声でそう聞いてきながら、私の硬くなってる胸の先っぽを摘んで、引っ張ってきた。
「ゲームっ、だけ、ど」
今の私にとっては胸を触られることは普通ってことになってるから、抵抗も出来ないし、不自然なことを言う訳にもいかないから、そう言った。
「それ、好きなの?」
すると、また感情を感じさせない声でそう言ってきた。
「好き――あっ、んっ、み、しゅず」
最近始めたゲームだけど、好きだったから、好きだよ、と言おうとしたら、いきなり、珠鈴は引っ張っていた私の胸の先っぽをこねくるように触ってきて、今度はそこだけをピンポイントに、押し潰してきた。
「何?」
「なん、でも、なぁっい」
そう答えて、ここでゲームをいきなりやめるのは不自然だと思って、ゲームを続けようとした。
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