常識改変?
「何、これ?」
「え、ゲーム、だけど」
「そうなんだ。じゃあ、私のも見てよ」
そう言って、スマホの画面を見せてくる珠鈴に、なんの疑いも無く、私はスマホの画面を見た。
すると、催眠術の画面がそこにはあった。
なんで……今、何か催眠術を掛けるような要素あった? ……いや、珠鈴が催眠術を掛けて来る時って、結構急だったりするから、今更かな。
「璃花、それ、好きなの?」
私がそう思っていると、珠鈴は私のスマホの画面を指さして、いつもとは違った、怖い雰囲気を漂わせながら、そう聞いてきた。
好きだけど。好きだから、やってるんだし。
そう言いたいけど、私は催眠術に掛かってるってことになってるから、返事はできない。
「私は?」
え?
「私は? それと、どっちの方が好き?」
それは……なんか話が違くない?
これはゲームとして好きなのであって、珠鈴は結婚したいって意味で好きだし、比べることは出来ないと思うけど。
「ねぇ、私、だよね?」
そう思っていると、私の膝の上に珠鈴が乗ってきて、改めて、そう聞いてきた。
だから、比べることは出来ないって。
……まぁ、もし催眠術を掛けられてなくて、喋れるような状況だったら、どう考えても珠鈴って答えるけど。
「この催眠術ってさ、どこまで、出来るんだろ」
珠鈴は少し冷静になったのか、そんな独り言を言い出した。
どこまでって、私のできる範囲でだけど。
「だって、いつも催眠術を終わる時、適当に辻褄を合わせてって曖昧な感じでも、何とかなるもんね。……それに、催眠術を解いてるはずなのに、その効果は続いてるもんね」
……まぁ、ほんとは催眠術になんか掛かってないし。
「璃花、下着だけ、脱いでよ。今日だけ、家にいる時は、いつも璃花は下着を履かないってことにしてよ。それが璃花の常識ね」
えっ、いや、それは、流石に恥ずかしいんだけど。
……でも、言う通りにしないと、催眠術なんて本当は無いって事がバレちゃう。
ブラジャーは服の中で外せばいいし、下の方はスカートで隠しながら脱いだら良いと思って、私は珠鈴の言う通り、今日は下着をつけてない状態で過ごすことにした。
ご丁寧に私の上から珠鈴が退いてくれたから、ソファに座ったまま、まずはブラジャーを外して、次は下を脱ぐために、ソファを立って、珠鈴から見えないように、下着を脱ごうとしたんだけど、直前になって、羞恥心が湧いてきた。
ただ、ここで不自然に止まれば、珠鈴に怪しまれちゃうから、私は勢いで、下着を脱いだ。
やばい、これ、想像以上に恥ずかしい。
下着は、着替える時とかに何回も見られたことはあるけど、それ以上は見られたことがない。
だから、こんな少しでもスカートが捲れたら見える状態で過ごすことに、どうしようもない恥ずかしさが湧いてくる。
いや、それ以前に、珠鈴に下の下着を脱ぐところも見られたし、脱いだばかりの下着も見られてる。……ブラジャーの方ならまだ良かったんだけど、下の方は、本当に、恥ずかしい。……だから、あんまり、見ないで、珠鈴。
「はぁ、はぁ、璃花、今日は、それで、過ごしてね。……お風呂に入った後も、下着、履いちゃダメだよ。……それじゃあ、また、適当に辻褄を合わせておいて」
すると、珠鈴は息を荒くしながら、そう言って、催眠術を解いてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます