こんな感じにさせておいて、放置するの?

「ごめん、璃花。璃花のこと、誰にも渡したくない」


 そんなことを考えていると、珠鈴は私にキスをするのをやめて、そう言ってきた。

 ……いや、私も、珠鈴以外には私をあげる気は無いけど。


「……教えてよ、璃花。誰と、間違えたの?」


 ……間違えた? ……何を? 

 聞きたい……けど、今は催眠術に掛かったことになってるし、聞けない。


「昨日、璃花、間違えて、私に好きって送っちゃって、直ぐに消してたよね? 見てないとでも思った? ……ねぇ、誰と間違えて、送信を取り消したの?」


 私がそう思ってると、珠鈴は更に、私を抱きしめる力を強めて、泣きそうな顔になりながら、そう言ってきた。

 …………え、もしかしてだけど、珠鈴と付き合わずに、私の気持ちを伝えようとしたあれのせいで、珠鈴は今こんな勘違いをしてるの?


「……誰にも、渡さないから」


 私が後悔していると、珠鈴はそう言って、あの時みたいに、ブラジャーのホックを外してきた。

 ……珠鈴だから、全然いいんだけど、そう言えばあの時、珠鈴の家にブラジャー忘れていっちゃったんだよね。……どんなブラを着けてたか忘れたけど、あのブラジャー、どうなったんだろ。

 ……まぁ、いいか。いつか、返してくれるでしょ。


 楽観的にそう考えていると、珠鈴はまた、キスをしてきて、舌も入れてきた。

 思わず声が出そうなのを抑えて、私は珠鈴を受け入れた。

 するとそのまま、珠鈴は私の胸を触ってきた。


「んっ」


 キスをされながら、そんな所を触られたからか、抑えていた声が漏れ出てしまった。


「璃花、催眠術掛かってるのに、声でちゃったの?」


 すると、一度キスをやめてからそう言って、また、キスをしてきた。

 

「……璃花、好き……大好き。……こんな、最低な私だけど、いつか、絶対、結婚しようね。…………って、催眠術無しの状態で、いつか言わないとだよね。……ごめんね、璃花。いつか、絶対言うから……今だけは、許して」


 ……許すも何も、私の方から、それを望んじゃってるから。だから、謝るのは、私の方だよ。

 

「璃花、ブラジャーを着けてから、いつも通り、辻褄を合わせておいて」


 そう思っていると、珠鈴は私の胸の先っぽを固くさせておいて、そう言ってきた。

 ……いや、私の胸をこんな感じにさせておいて、放置するの? ……私今、結構限界なんだけど。

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