もしかして、夢じゃなかった?

 珠鈴が帰った。……と言うか、私が帰した。

 これ以上一緒にいたら、私の風邪が移って、また、珠鈴が寝込んじゃうから。

 そして、珠鈴に帰ってもらって、私はまだ体が少しだるかったから、また、目を閉じて眠りについた。

 




 そして、目が覚めると、体が楽になっていた。珠鈴が持ってきてくれた、薬のおかげかな。

 ……取り敢えず、体が楽になったし、お風呂入ろうかな。体が汗だくだ。……服が体に引っ付いて、気持ち悪いし、早くお風呂沸かして、入ろ。


 そう思って、汗だくの服のまま、ベッドから起き上がって、お風呂を沸かした。

 ……お風呂を沸かしてる間、この汗だくの服のままいるのは気持ち悪いな。……脱ご。どうせ誰もいない家だし、裸でいてもいい……いや、寒くなって、また風邪がぶり返すかもしれないな。……もう少し待ってから、脱ごうかな。お風呂が沸く直前くらいに。


 そう考えて、少し待った。

 そして、もういいかなと思って、私は服を脱いで、洗濯機に入れた。

 ……あれ、なんでこんなところに、私の下着が落ちてるんだろ。……しかもこれ、別に洗ったやつじゃないよね? この前着てたやつだし。

 ……この場所って、確か、夢で珠鈴が私の下着を持って、そういうことをしてた所、だよね。……いや、でも、あれは夢……だよね? え、夢じゃなかった? ……もしかして、珠鈴の言ってた最低なことって、そういうこと? えっ、待って、あれが夢じゃなかったってことは、わ、私、珠鈴に、私の大事なところ、押し付けて……あ、あれ? ど、どうしよう……ち、違うんだよ、珠鈴。私、あれが夢だと思ってたから、それに、あの時は頭がふわふわしてて、おかしかったんだよ! ふ、普通の状態だったら、あんなことはしないよ!


 そう、珠鈴に言い訳をしたいけど、そんな言い訳をしたら、珠鈴に私が思い出したことがバレちゃう。

 ……もう、忘れよう。珠鈴も隠したがってたんだし、もう、忘れたことにしよう。

 そんな現実逃避をして、私は落ちていた下着を洗濯機に入れてから、お風呂場に向かった。


「はぁ」


 頭と体を洗い終わった私は、そんなため息をつきながら、お風呂に浸かった。

 ……ほんとに、いくら風邪で頭がふわふわしてたとはいえ、なんで私、あんなことしちゃったんだろ。……と言うか、珠鈴、私の家で、なんであんなことやってたの。……いや、別にいいんだけどね? 正直、頭がふわふわしてたのに、あの時の珠鈴がしてた姿だけ、目に焼き付いてるんだよな。

 

 そんな珠鈴のしていた姿を思い出すと、私は下の方が熱くなっていった。……そして、思わず、そこに手を伸ばしてしまった。

 ……珠鈴だって、私の下着を使って、そういうことしてたんだから、私が珠鈴の姿を思い出して、そういうことしても、文句はないよね。

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