既読無視
「じゃあ、璃花、今日はもう帰るね」
「ん」
「また明日ね!」
「ん」
辺りが暗くなってきたから、残念そうに帰ると言う珠鈴と玄関の前でそんなやり取りをして、私は珠鈴を見送った。
帰るって言った時は残念そうだったけど、玄関では元気そうだったな。
そう思いながら、私はキッチンに向かって、夜ご飯を作りだした。
「ご馳走様」
自分で作った夜ご飯を食べ終えた私は、手を合わせながらそう言って、取り敢えず感覚でスマホに手を伸ばした。
そして、スマホを手に取った所で、思い出した。
……あ、桜井に返信するの忘れてた。
さっきと違って、今回は既読はつけてないけど、一度目のメッセージにも何も返してないんだから、かなり不味いことをしてると思う。……桜井の不安になってる姿が安易に想像できちゃうんだけど。
【ごめん、忘れてた】
そう思って、私は急いで返信をしようとして、文字を打ったけど……忘れてたは不味い、かな。
【ごめん、遅れた。こっちこそよろしく】
うん。これならいいと思う。
私は自分でも納得出来たから、メッセージを送った。
すると、送った瞬間に、既読が着いた。
……もしかしてだけど、ずっと、このアプリ開きっぱなしだった? ……いや、流石にたまたま、だよね。
【いえ、全然大丈夫ですよ!】
そして、直ぐにそんなメッセージが帰ってきた。
よし、メッセージも返ってきたし、お風呂入ろ。
そう思って、スマホを充電器に刺して、お風呂場に向かった。
ふぅ、さっぱりした。
ドライヤーで髪を乾かしてから、そう思いながら刺してあった充電器を抜いて、スマホを手に取った。
そしてそのまま、自分の部屋に向かった。
自分の部屋に入った私は、適当にベッドに寝転んで、スマホの画面を見た。すると、珠鈴からメッセージがきてることに気がついた。
【電話、掛けていい?】
……電話。……何かあったのかな。いつもはこんなこと、言ってこないし。
【なんで?】
私はそう思って、そう返信した。
すると、珠鈴はいつも比較的返信が早いのに、既読だけつけて、なかなか返信が返ってこなかった。
私はご飯を食べた状態でお腹が膨れてて、お風呂にも入ったから、体がいい感じに温まってる状態だったからか、そのまま寝落ちしてしまった。
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