第6話 女医さんと、チーズ入りハンバーグ

――場面転換

(女医さんの部屋)


※二人分の足音

※鍵を開ける音


はーい、どうぞ。上がって


へへ、また来てくれたの嬉しいな


風邪もしっかり治ったみたいでよかった!!




今日はねーハンバーグとポテトサラダとお味噌汁だよー


ちょっと、男ウケを狙ってみました!

とか、自分で言っちゃったら意味ないかな?



でもさ、ハンバーグなら事前に準備しておいたらあとは焼くだけだし

君といる時間が長くなるかなーなんて思って


こないだはせっかく来てくれたのに作ってる間ちょっとさみしかったから



……ごめん、私思ってること口に出し過ぎかな


ちょっと君に会えてテンション上がり過ぎてるかも



あーあ、もう、これだから、勉強ばかりでろくな恋愛してこなかったやつはー

なんて、自分で思っちゃう。



んー、私、男の人には誘われるばかりだったから、

自分からってなると、距離感とか順番ってのがちょっとわかんなくて



女の一人暮らしの部屋に男の人入れるとか……

まだ本当は早いのかな


でも、君がはじめてなんだよ、

業者さん以外でこの部屋に入れた男の人



……あー、待って、ちょっと恥ずかしくなってきた


ハンバーグ! ハンバーグ焼いて来るから

くつろいで待ってて



 

あ、待ってる間に引き出しとか開けちゃだめだからね?


なんてね、君がそんなことしない人だって知ってる



君は真面目でいい人だもんね


え? いい意味だよ?


だから部屋に入れたんだもん



君じゃなかったら部屋には入れてないよ


ホントは私、秘密主義だから




___

______



はーい、お待たせ


出来たよー!


ハンバーグの中に、チーズ入れてみた



好きだったよね? ハンバーグ入りのチーズ!!

(ちょっとドヤ顔)


……じゃなくて、チーズ入りのハンバーグ!!

(言い間違いに気付いて恥ずかしい)


間違えちゃった

(恥ずかしい)


ハンバーグの入ったチーズって何それって感じだよね(笑)



……ちょっとだけ、緊張してるんだ

君がまた来てくれたって思うと、嬉しくて




ちょっと夢みたいな気分だよ

私の青春時代のほぼ全部、好きだった人だから


まあ、私の片思いだったんだけどね!



あーもう、私しゃべりすぎ


食べよ食べよ



今日のはねーとびきりおいしいはずだよー?


なんと、いいお肉を使っています!!



あはは、ちょっとズルかな

おいしく食べて欲しくて

いつもよりちょっといいお肉選んじゃった



まあ、君の回復祝いってことで!



お酒とかはないけどね

飲んだら君を車で送っていけなくなっちゃうし(微笑)



君は、お酒好き?


そっか、飲むなら何が好き?

ビール? そうなんだ



私? 私はーカクテルとかかなー

ちょっとお酒弱くて、あんまり飲めないんだけどね



あーまた、私ったらしゃべり過ぎちゃった



食べよ食べよ

せっかく頑張って作ったのに冷めちゃう



え? もちろん、頑張って作ったのはホントだよ


自分用なら適当に目分量と感覚で作るけど

今回は久しぶりにレシピ確認しちゃった



じゃあ、いただきまーす!!



……どう? おいしい?

よかった(安堵)

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