第8話 女医さんと朝ごはん

――場面転換(翌朝)


※鳥のさえずり

※主人公が高梨さんをトントンと起こす音

※ガバッと起き上がる音


えっ!? あ、お、おはよお……

(寝ぼけている)


うわ、私いつの間に寝ちゃったの??

(目が覚めた)



……え、昨日、私酔っ払って寝ちゃった!?


わ、やだな、恥ずかしい……

(両頬を両手で包んで言うイメージ)


ごめんね? 迷惑かけてないかな


ほんと? それならよかった


あーでも恥ずかしい……




二人だけの秘密にしてね


これでも名医ってことになってるんだから


え? そーだよ?


病院の中では、クールで出来る女医師おんないしって感じで通ってるんだから!


えーそー見えない? おかしいなあ


まあ、君の前では割と素を出してるからね




なんで? なんでだろう


昔から知ってる人ってのもあるし、安心感あるからかなあ?


君といるとなんだか安心する



え? いつもいい人止まりでモテない?


そうなんだ 奥手な人が多いのかな


でも、モテる人は不安になっちゃうから……


私は付き合うならそういう人の方がいいな



え? 褒めてるよ?


それに、君のいいところは私だけが知ってるとか


ちょっと、よくない?




____

________


あー、いい天気だね

(伸びをしながら)


すっかり朝



おなかすいてる?


朝ごはん作ろっか



あ、今日休日だけど……君は忙しかったりするのかな


予定外にお泊りさせちゃったよね


え? 大丈夫? よかった



よーし、じゃあ、朝ごはん、何作ろっかなー


 

んーっと、そうだなー


昨日お酒飲んだし……しじみのお味噌汁作ろかな


ちょうど冷凍してたしじみがあるし



お味噌汁作るなら、和食かなー


ごはんと、卵焼きとー



卵焼きはどんな味付けが好き?


え? 甘いの?


じゃあ、甘いのにするね



私、卵焼きは得意なんだ

プロレベルだよ


ってのは、言い過ぎだけど

おいしいの作るから、ゆっくりくつろいで待ってて



※調理中の音



(高梨さんの足音)


はーい、お待たせ


出来たよー



※テーブルに料理を並べる音


じゃあ、食べよっか


……いただきます

(手を合わせて)


ね、卵焼き、おいしそうに出来たでしょ?

君が食べると思うとちょっと緊張しちゃったけど

うまくできたと思うんだー


お口に合うといいんだけど……

どうかな



おいしい? よかったぁ


……へへへ、こうやって朝ごはん一緒に食べるとか……

なんか、恋人か夫婦みたいだね


なんてね



でも、リアルな話すると、料理は好きだから気分転換も兼ねて作るけど

毎日はしてないからね


もしも付き合うってなった時にがっかりされたらいやだから

先に言っちゃう


せっかく付き合えたら長く付き合いたいから

変に見栄とか張らない関係でいれたらなって思うよ




君も……私には気を使ったりかっこつけたりしなくていいからね


 

あー何言ってるんだろう。恥ずかしい

(パタパタと自分の顔を手で仰ぐ)


あ、テレビでも付けよっか

(照れ隠し)


※テレビをつける音


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る