第3話 女医さんの告白と部屋
君は部活頑張ってたよねー。
(運転しながら前を見て)
え? そりゃ知ってるよ。
(こちらをチラ見して)
私、毎日放課後に図書室で勉強してたから、よく窓から見てたもん。
毎日君は一番にグラウンドに出て部活の準備して練習始めて、
まじめに部活やって、片付けも誰よりも最後まで真面目にやって……
遠くまで転がって放置されてるボールを拾いに行くのはいつも君(笑)
重いもの運んで困ってるマネージャーさんに気付いて、そっと手伝いに行くのもいつも君。
まあ、君は目立つ方でもサッカーがうまいわけでもなかったけどね?
(冗談っぽく)
でも、そーゆー真面目さとか気遣い出来るところが素敵だなーって思って見てた。
(思い出しながらまじめな感じで)
私さ? 勉強ばかりしてたから、そんなに付き合うとかそういうのに興味があったわけじゃなかったけど、
あの頃いろんな男の子に告白されてたから、少ーしだけ期待しちゃってたんだよね。
そのうち君が、告白してくれないかなーって。
でも、待ってるだけじゃダメだったね。
気付いた頃には君、マネージャーの子に告白されて付き合い始めてた。
あーあ、失恋したーって、ちょっと残念だったんだ。
まぁ、最初から私の片思いだったんだけどね。
え? 知らなかった? 鈍感だなあ、君は(微笑)
……なーんて話をしていたら!
(さっきまでの話し方とギャップを付けて)
ごめーん! つい、いつもの癖で、間違えて私の家来ちゃった。
いやー習慣って怖いね
ねぇ、後で送っていくからさ、せっかくだしちょっとうち寄ってかない?
ご飯食べていきなよ。
ちゃんとしたもの食べてないんでしょ?
たまには栄養あるもの食べた方がいいし
——場面転換
※二人分の足音
ここが私の部屋だよー
※カチャカチャという鍵を開ける音
※玄関を開ける音
はい、どーぞ……
あっちょっと待って!
……一応恥ずかしいものがないかチェックしてくるから、ここで待ってて!
※バタバタと部屋に入っていく音
(——以下、遠くで聴こえる様な声)
あー!! あっぶなーい、部屋に下着干したままだったー!!
あ、これもやばいかな、クローゼットに隠しちゃお!!
えっと、ルームスプレー、ルームスプレー!!
こないだ買ったいい匂いするやつ!!
※スプレーの音
※ガタゴトとした物音
よし!! こんなもんかなっ
——ここから通常の声
※近づいて来る廊下を歩く音
ごめん、お待たせっ!
どーぞ、入って
※室内の足音
適当に座ってくつろいでてー
今飲み物入れるから
※テーブルにグラスを置く音
はい、どーぞ。
ハチミツレモンジュースだよー
喉痛い時にいいからさ、疲労回復効果もあるし!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます