第2話 女医さんの助手席

(ここから元同級生に話す雰囲気の声)

……ところで、ここからは元同級生としての話だけどー、

今日はここまで、どうやって来たの?


電車? 駅までは歩き?



そっか、駅までは少し距離あるし、電車もこの時間帯は混むし、

ちょっとしんどいね



少し待っててくれたら車で送るけど、どうする?


せっかく久しぶりに会えたし、少し話したいなーとも思うんだけど


いい? よかった

(少し安堵して微笑む感じ)



じゃあ、お会計済ませたらそのまま応接室で少し待ってて



_____

________



※待合室の環境音

※片付けるような音


※遠くでお疲れ様でしたーという看護婦さんらしき声

※近づいて来るヒールの足音


お待たせー

(軽く片手をあげて、はにかむような笑顔)


え? なに? 白衣脱いだら雰囲気違う?

(茶目っ気のある言い方)


そりゃあまあ、私だって普通の女子だし?

(少し照れた嬉しそうな声)


でも君に会えるなら、もうちょっとおしゃれしてきたらよかったかな

ちょっと恥ずかしい




じゃあ、車まで行こっか

(明るく)



※二人のアスファルトを歩く音

※自動ドア開く音

※外の環境音


それにしても久しぶりだよねー


高校以来だから……何年ぶりだろう

(宙を見て考えてる感じで)


お互い大人になったね

(主人公を見て同調を求める感じ)



でも、君は昔の面影そのまんまだね


カルテの名前のせいもあって、君だってすぐ分かったよ




え? 私は分からなかった?

(茶目っ気のある言い方)


あはは、まぁ、女性はメイクとか服装で雰囲気変わるもんね



でも、思い出してもらえてよかったよ?

(小悪魔っぽい感じ)


こうして久しぶりに話せるわけだし。

(嬉しそう)





ねー君は今彼女とかいる?

(不安そうに)


いないんだ、そっか

(少し安心して嬉しそうな声)



あ、ごめん! なんかほら、彼女いるなら車で送るとか、

良くないかなーって、ちょっと思っただけだよ。

変な意味じゃないから、気にしないで

(本当は嬉しいけど誤魔化している)



 

※二人分のコンクリートを歩く音

※立ち止まる



この車なんだ、助手席座って

※車のカギを取り出して、ロックを解除する電子音

※扉を開け閉めする音

※エンジンを掛けたりする音



※手慣れた感じのシートベルト締める音

シートベルト閉めた?


適当にリクライニングして楽にしてね




安全運転で行きまーす

(前を向いて茶目っ気のある言い方)


……ちょっと、ドライブみたいだね

(こちらを向いて無自覚な小悪魔っぽい感じ)


君が病人じゃなかったら、この後ご飯でも……って

誘うんだけどなー? 残念。



※車の走っている音

※車の中のBGM



ねぇ、仕事は今何してるの?


そうなんだ、大変?


そっか、大変そうだね。

(心配する感じ)



でーもー、インスタントとか麺類ばかりじゃダメだよー?

身体壊しちゃう



まあ、わかってても……って感じかな(微笑)




みんな今はそれぞれ違う仕事してるんだもんね。


あの時は学校行ったらみんなに会えるのが当たり前だったのになー


私あの頃から医者になりたくて勉強ばっかりしてたから、

もっと遊んでおけば良かったかな。

なんて、たまーに少し思うよ。

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