装丁の美麗に尽きる推し円盤 三枚買わぬ己を恥じる

かねてより崇拝する推しアイテムは一種につき三個必要だと言われている。すなわち、観賞用、保存用、布教用である。

同じものを三つも買うなど、幾ら推しのためとはいえ無駄ではないか。費用のみならず、場所も取る。鑑賞しつつ保存すれば良い。布教は相手がいないから必要ない。


などと。

先ほどまでの自分は、なんと浅はかな人間であったか。

封が切れないのである。

届いた限定版の円盤は、大きな紙の封筒に入っている。ライブのタイトルとイラストが躍るパッケージが目を引く。裏面はツアータイトルと日程がデザインフォントで描かれ、封は特製のシールだ。

紙の質感、イラストの配置、色彩、封筒のサイズ感、それから、中身を期待させるその膨らみ。

まさにファンへのプレゼントといった風で、思いとはこのように詰めるものだと学んだ次第。


で、どうやって開けたら良いんですかね……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る