第9話 決戦前にはセーブですよぉ。忘れがちだけど。
「アルっ、これじゃない?」
小部屋を調べていたミリアの声を聞いて、アルフレッドとアリスはミリアのもとに駆け寄る。
「ほら、これよ。」
ミリアが指さす先には小さなボタンがあった。
なんでも、そこにある花瓶をどけたらボタンがあったというのだ。
特に隠していたというわけでもないみたいなので、アリスの魔眼に引っかからないのも頷ける。
「このボタンを押せば、隠し扉が現れるのですね。」
「たぶんな……って、おいっ!」
アルフレッドの返事も聞かずにボタンを押すアリス。
結局、モンスターハウスでの事は反省も後悔もしていないアリスだった。
「何も……起きないわね。」
何かあってもすぐ対応できるように、と身構えていたミリアがポツリと漏らす。
「いや、そうでもないぞ。」
アルフレッドはそう言いながら小部屋の片隅へと向かう。
そこには壁に埋め込まれたパネルが出現していた。
「これは一体……動く?」
恐る恐るパネルに手を掛けるミリア。
真四角の枠の中が、縦4、横4と十六分割されており、小さいパネルがそれぞれ埋め込まれている。
しかし、中央部分だけはパネルが無く、普通に考えれば、ここに何かキーとなるパネルをはめ込むのだろうが……。
アルフレッドが考えている間にも、ミリアが小さなパネルを適当に動かしている。
「おいっ、勝手に……。」
止めようとしたアルフレッドだが、その声も届かないほど集中してミリアの手元を見つめるアリスを見て、思いとどまる。
ここはアリスに任せた方がいいと、アルフレッドの勘が告げていた。
小さなパネルには紋様が刻み込まれているので、それが何かのヒントになるかもしれないが、それはアリスに任せ、アルフレッドは何が起きても即座に対応できるように、あたりを警戒し奇襲に備える。
「……分かりましたわ。」
ミリアがパネルを動かすのを眺めていたアリスが突然そう言いだして、パネルに手を掛ける。
「これは勇者パズルですぅ。私得意なんですよぉ。」
そう言いながらアリスは小さなパネルを動かしていく。
中央の空白に右からパネルを寄せ、空いた右側の空白に下のパネルを移動させ、更に空いたところに左から……と、複雑に動かしていくアリス。
二人が見守る中、アリスは小さなパネルを行き来させ、やがて……。
「完成ですぅ。」
見ると、小さなパネルに刻まれていた紋様が全て繋がり一つの紋章としてパネル上に完成し、中央の空いた場所にはいつの間にか赤い結晶が浮き出ていた。
「これは……。」
「そうですぅ、勇者様の紋章ですぅ。最後のパネルを動かしたらこの宝石が出てきて……中央の宝玉が無ければ勇者様の紋章と言えないからどうしようかと考えていたんですけどねぇ。」
「成程、「勇者の紋章」か……。」
アルフレッドはパネルに近づき、中央の赤い結晶に手をかざして魔力を注ぎ込む。
すると、壁際の一角の床に穴が開き、階下へと降りる階段が姿を現した。
「さぁ、行くか。」
アルフレッドは、驚く二人にそう声をかけるのだった。
「あのぉ、アル様はどうしてわかったんですか?」
おずおずと聞いてくるアリス。
何がとは言わなかったが、おそらくは、先程の紋章に魔力を流した件だろう。
「あれか?アレはその昔、勇者が思い付きで始めたギミックを真似たものだからな。あぁ言うのは結構残ってるぞ。」
実際、さっきのは勇者の封印を真似た紛い品だったから、単に魔力を流すだけで作動した。
つまり、あの仕掛けは勇者がしたものではなく、後世において誰かが仕掛けたものであり、勇者本人とはなんの関係もないことを示している。
……少しだけ期待していたんだけどな。
アルフレッドが勇者のパーティに入ったのは比較的遅かったから、勇者と出会った時、既にエルは聖剣を手にしていた。
エルは聖剣についてはあまり話したがらなかったが、いくつか聞いた話をつなぎ合わせると、どこかの遺跡で聖剣を得たらしいことまではわかった。
勇者が最初に訪れたという遺跡。
調べ尽くされたその場所に、誰も知らなかった隠し通路があるとなれば………。
「まぁ、そう上手くは行かないか。」
「何がです?」
アルフレッドのつぶやきを聞き咎めたアリスが身を寄せてくる。
「いや、お宝がザクザクと手に入らないかなって思ってな。」
「それは中々の難問ですねぇ。」
アリスは周りを見回して、アルフレッドの期待に添えないかと頑張ってみるが、そう都合よくは見つからなかった。
「少し休憩しよう。」
開けた場所に出たところで、アルフレッドが二人に告げる。
隠し階段を降りてからかなりの時間がたっている。
ゆっくり進んでいるので、体力的にはそれほど問題ないが、探知を担っているアリスの集中力が切れかけている。
それほどまでにかなり長い距離をすすんできたのだ。
曲がり角もなく一本道だったので道に迷う事もなかったが、とにかく距離があった。
この遺跡の規模ではここまでの長い道はあり得ないので、緩やかならせん状になっていると考えるべきだろう。
ひょっとしたら気づかないうちにループの罠にかかっている可能性もある。
アリスの看破に引っかからないところを見ると、ループや転移の罠の可能性は低いのだが、隠されていなければアリスにわかるはずもなく、また、それを暴くすべをアルフレッドたちは持ち合わせていない。
転移やループの可能性がないのならば、この道の行く先は遺跡の中心部に通じているはず。
だから、アルフレッドたちは、この先が目的地に通じていると信じて、そのまままっすぐ歩くしかなかった。
そして、意味もなく突然現れた開けた場所……、この先が遺跡の中心だとすれば、必ず何かあるとみて間違いないだろう。
また、最終目的地に着く前に休憩をしておくのは正しい判断だと言える。
「私なら、まだ大丈夫ですぅ……と言いたいところですけどぉ。」
少しふらつきながらそんな事を言うアリスの身体を支えるアルフレッド。
「目的地はたぶんもうすぐだ。だから休憩するんだよ……その前に取りあえずこの場所を探ってくれ。その後は寝てていいから。」
「アル様は、優しそうに見えて、意外とSなのですよぉ……大丈夫です、気配も罠も隠し扉もありませんよぉ。」
「そうか、じゃぁ、後は休んでいろよ。食事が出来たら起こしてやるから。」
アルフレッドはそう言って収納から毛皮を敷いたマットを取り出し、そこにアリスを寝かせる。
「はぁい、後はお任せするのですぅ。……寝てる間に襲いますかぁ?」
「こんな場所で、そんな無防備な事できるかっ!」
アルフレッドは上に掛ける布をアリスに投げつける。
「って事はぁ、安全な……場所……な……ら…………。」
すぅーと、早くも寝息を立てているアリス。
「アリスちゃん寝ちゃった?」
「あぁ、かなり集中していたからな。仕方がないだろ。」
部屋の四隅に特製の結界石を設置して戻ってきたミリアが、アリスの顔を覗き込み、中途半端になっている毛布をかけなおす。
「探知なら私も出来るから無理しなくてもいいのにね。」
「お前は罠の看破が出来ないからな。それにアリスもまだ慣れてないから、罠や隠し扉だけに集中出来ないんだろ。こればかりは慣れないと仕方がないからな。」
「そうだね……食事はアリスちゃんが起きてからでいい?」
「あぁ、それで構わない。」
「ん、じゃぁ仕込みだけやっておくね。」
ミリアはそう言うと収納バックから、食材や調理器具を取り出して、テキパキと準備を進めていく。
「ねぇ、アル。そろそろ教えて欲しいな。」
ミリアが食事の用意をしている姿をぼーっと眺めていると、ミリアは作業の手を止めず、こちらを振り返らずに聞いてくる。
「ん?何をだ?」
「分かってるんでしょ?今回の事と、この後何が待ってるか?」
「何でそう思うんだ?大体、俺が何を知ってるって?」
「惚けなくてもいいわよ。アルとの付き合いも長いからね。なんとなくわかるわよ。でなきゃ、こんなオーバースペックのエンチャントしないでしょ?」
意外と鋭いミリアの指摘に、内心焦りを感じつつ、一応抵抗を試みるアルフレッド。
「オーバースペックって言うけどな、ミリアのは魔石をベースにしてるから、装備を変えても簡単に引き継ぐ事が出来るんだ。だから無駄にはならないぞ?」
「……ハァ、それって、今の革鎧にはオーバーだって認めてるのと同じって気づいてる?」
「ハイハイ、分かったよ……ったく。」
アルフレッドは諦めて白旗を上げる。
アルフレッドとしても誤魔化すつもりはなく、出来れば自分の勘が外れていればいいと思っていただけなのだから。
「今回の件については正直よく分からん。ただ、よくあるパターンからある程度の推測してるだけだ。」
「うんうん、それで?」
「隣りの領主……ガルドって言ったか?奴が企んでいるのは、まぁ、反乱だろうな。」
「反乱?……クーデターって事?この国を乗っ取るの?大変じゃない?」
ミリアが少し慌てる。
「落ち着け。反乱って言っても今の現状そう大きな事が出来る筈がない。いい所、隣国を手引きするか、混乱に乗じて独立を狙っているか、まぁそんなところだろうな。」
「そんなところって言うけど、それでも簡単じゃないし大事だよね?」
魔王が勇者によって封じられて30年、世界は安定を取り戻しつつあるが、未だに魔獣などの被害は絶えない。
各国は国境付近の警備に重点を置いているが、それは他国からの侵略よりも、国境の外側にある魔獣の住処からの魔獣の襲撃を警戒してのものだった。
魔獣の中にはドラゴン族程でないにしても知恵のある種族は多く、人族の間に混乱があれば、その隙をついて襲ってくる。
だから、人同士が争っているような余裕が無いのが現状だ。
そのような事をしていれば、双方とも魔獣に襲撃されて滅ぶのが目に見えている。
事実、この10年の間に、魔獣によって滅んだ国家がいくつもあるが、その殆どは、国同士の争いや内乱をしている隙を狙われた結果だったりする。
「まぁ、普通ならそうだろうけどな、隣りの領地の立地が特殊でな。」
ガルドの治める領地、ガーランド領の大半は半島の様に海に突き出している。
つまり三方が海に面していて、陸地で接しているのはロイド領とその隣の深い魔境の森だけである。
つまり人だろうが魔獣だろうが、一方向だけに集中して警戒すればいいので、最小の兵力で最大の効果を出している事になる。
つまり他国に比べて軍事費に余裕があり、それがガーランド領を富ませている原因の一端を担っている。
「ウン、それは分かるんだけど、それが今回の事とどうつながるの?」
立地等の状況は理解していても、それが何を意味するかまで理解が及んでいないミリアは、アルフレッドに続きを促す。
「つまりだな、いくら国が攻められようが、ロイド領がある限りガーランド領に被害はないって事なんだよ。」
「あ、そう言う事。隣国が攻め入ってきて、それが成功しても失敗してもすぐに影響があるわけじゃない。逆に隣国に取り入っておけば、万が一の保身が出来るって事ね。」
成程、とミリアが感心したように頷く。
「後は、多分こっちが本命だとは思うんだが、国内で混乱を起こし、それに乗じて独立するって方だな。混乱に乗じた際、出来ればロイド領の一部……ミルトの街辺りまでを切り取る事が出来れば大成功と言えるんじゃないか?」
アルフレッドはいつの間にか取り出した地図の上に印を付けながら説明をする。
「この辺り一帯を切り取れば、アスラム王国としては海産品、特に塩が手に入りにくくなる。しかし、一度取られてしまうと、魔獣の脅威を考えれば大規模な戦争は起こせない、結果として、ガーランド領の独立を認め、手を結ぶしかなくなる。」
「へぇ、考えているんだね。でも、それくらいの事、国も分っているよね?」
「あぁ、だから、ミルトの町などと言う、中央からしてみれば辺境ともいえる場所が、公爵である領主直轄の地になっているんだろう。」
「ふーん、やっぱりちゃんと考えているんだね……あ、でも待ってよ?辺境って事は応援呼ぶのも大変じゃないの?」
ミリアがふと思いついたように言い、それを聞いたアルフレッドは嬉しそうに頷く。
「よく気づいたな。その通りなんだよ。だから普段は、こう言う辺境にはありえない程軍備が整っているんだが……。」
「その軍隊だけじゃ対応しきれない『何か』が起きて、その隙に攻め込まれたら……って事ね。」
「正解。よくできました。」
アルフレッドはミリアの頭を撫でてやる。
「エヘッ♪」
ミリアは甘えるようにアルフレッドにすり寄り、その胸に頭を乗せる。
アルフレッドは、仕方がないなぁというようにその頭を撫で続ける。
「コホンっ……イチャつくの禁止ですぅ!」
背後から声がかかり、ミリアは驚いて慌てて飛びのき、アルフレッドと距離を置く。
「お姉様ばっかりズルいのですぅ。」
アリスがそう言いながらもぞもぞと近寄ってきて、座っているアルフレッドの膝の間に納まる。
「あ、あは、あはは……アリスちゃん起きてたの?」
「起きてましたよぉ。何やら真面目な話をしてますから、邪魔しちゃ悪いと思って大人しくしてたのに、急にイチャつきだすのですから。」
「い、イチャついていないよぉ、少し話してただけで……。」
「そうですかぁ?結構長く話してましたよぉ?」
アリスがそう言いながら鍋を指さす。
「えっ、あっ、わわっ!」
ミリアが煮込んでいた鍋は、焦げ付いてはいなかったがかなり煮詰まっていた。
話に夢中で気づかなかったが、弱火でここまで煮詰まるのだから、かなり長い時間話し込んでいたことになる。
「あはっ、あはは……取りあえず、ご飯の用意するね。」
その後、三人は極限まで煮込まれたスープ?というのは、ある意味凶器になりえるという事を知ったのだった。
◇
「それで、先程のお話の続きなんですが……これ美味しいですぅ、どうやって保管していたんですかぁ?」
サッパリしたものが食べたいというアリスのリクエストに応えて、食後のデザートに出した柑橘系の果物を使ったシャーベットだったが、アリスに気に入ってもらえたようである。
アリスはそのシャーベットを口に含みつつ、先程アルフレッドとミリアが話していた内容の続きを聞きたがる。
「気に入って貰えてよかったよ。少し酸味が強くて好みが分かれる味だからな。保管方法については企業秘密だ。」
「ぶぅ―、愛する妻にまで隠し事ですかぁ。」
「誰が妻だよっ!……で、さっきの話って?」
「私の唇奪った癖にぃ……既存の軍隊だけじゃ対処できないってお話ですよ。その『何か』について、アル様は予測為されてるんですよね?」
「そうそう、私もそれが聞きたかったの。後、アリスちゃん、私を差し置いて妻を名乗らせないわよ。」
シャーベットを食べ終えたミリアも話に加わる。
「お前らなぁ、誰が妻だよ!俺は嫁を取ったことはない。」
「「えーと、じゃぁ内縁の妻ということで。」」
二人の声が見事にハモる。
見事なまでの仲の良さだった。
「はぁ……話を戻すぞ。「何か」についてだな……予測って程でもないんだけどな……というか、お前らも大体分かってるだろ?」
「魔族……ですか?」
「ガイナックスって言ったっけ、あのロリコン魔族。」
ガイナックスがジョークのつもりで言った事が、ミリアとアリスの間では最低な変態と認識されてしまった事をアルフレッドもガイナックスも知らない。
ただ、その言葉を発するミリアの言葉の端々から妙なプレッシャーを感じる。
「おいおいロリコンって……まぁ、否定はできないが。」
「そうですよぉ、あの最後に私を見る目はヘンタイさんそのものだったのですよぉ。」
アリスは身をブルブルッと震わせ、両腕で自分を抱え込むように身をすくめる。
そんなアリスの様子に、アルフレッドも何も言えなくなる。
「……まぁ、アイツの趣味趣向はどうでもいいが、魔族がどうかかわって来ると思う?」
「それは……。」
「話の流れからすれば、何かを起こすのでしょうが、それが何かまでは分からないですぅ。」
困った表情で見あげてくるアリス。
実際、街での調査でもガルドと魔族の繋がりは一切分からなかったし、仕方がない事だと思う。
「正直俺にも分からないけどな、ヒントがあるとすればこれだよ。」
アルフレッドは収納バックから1冊の本を取り出す。
「召喚……。」
「入門書……。これがヒントなのですか?」
「そう、この本は奴がいた隠し部屋にわざとらしく落ちていたんだよ。」
「でも、それが罠って事も……。」
「その可能性もある。だけど、それをいいだしたらキリがないからな。取りあえず、大量のモンスターが召喚されるという前提で動いておいた方がいいだろう。」
「そうですね……街中にモンスターが溢れかえれば、兵士達はそれらの対処にかかりっきり。そんな時に街が襲われたら……大変ですぅ、ひとたまりもないじゃないですかぁ!」
その事実に思い当たり、蒼褪めるアリス。
「このエルザの街でモンスターによるスタンピードが起きる……魔の森も遺跡も近隣にあるここなら、それ程おかしい事じゃないからな。そして、ガーランド領は応援という名目で兵を出すことができる。何と言ってもエルザの街はガーランド領の目と鼻の先だからな。自領を守るため、何より国という大きな枠から見れば当たり前の話だよな。
勿論、ロイド領も対応するために兵を向かわせるだろうが、その兵の出どころはミルトからだよな。そうすると、当たり前の話だけどミルトの街の守りが薄くなる。そこにエルザの街を守るために出兵したはずのガーランド兵が襲い掛かれば……という筋書きだろうな。」
「なんてこと……。」
アリスは声も出なくなる。
「もっと言うならば、モンスターたちがミルトの街を襲うのが理想だろうな。ガーランド兵は「防衛・警備」という名目で実質的にミルトの街を支配できるからな。この場合、反乱を起こしたとは見えないだろうから、時間が稼げる。」
「だけど、モンスターを解き放ってしまえば、自分達に類が及ぶという可能性は考えないのでしょうか?」
アリスが一縷の望みを託して聞いてくる。
「その為の魔族だろ。」
「あっ……。」
ようやく繋がったと、納得するアリスだが、それで問題が解決するわけではない。
「アル様……どうすれば……。」
年相応に不安げな表情を見せるアリスの頭を、安心させるように撫でるアルフレッド。
「だから、俺達がここにいるんだろ?召喚の儀式にはそれに応じた場所が必要不可欠になる。この遺跡には召喚陣そのものか、それに関する何かがあるのは間違いない。ガイナックスがここにいた事がそれを証明している。」
「そうね、何も関係ない所に魔族がいるわけないか。」
「つまり、召喚陣か、それに関する何かを見つけて壊せばいいって事ですねぇ。」
アリスの声に普段の調子が戻ってくる。
「そういう事だ。そして、それを見つける為にはアリスの力が必要なんだよ。」
「わかったのです。このアリスちゃんが全てを暴くのですよ!」
やる事が見えて、ようやくアリスの顔にいつもの笑顔が戻る。
「グズグズしていられないですぅ。アル様、お姉さま、出発するのですよ。」
「アリスちゃん、落ち着きなさい。出発前に準備は必要よ。」
張り切っていまにも飛び出していきそうなアリスを抑えるミリア。
その様子を眺めながら、決戦の時が目の前にまで迫っている事を感じるアルフレッドだった。
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