第4話 リリア(改稿第3版)

 ここはどこなんだろう?

 くらうん《あかつき》のくらうんはうす?

 ここはくろーどのへやのまえだよね?

 いつのまにきたんだろう?

 わたし、あたまがばかになっちゃったみたい……。

 まあ、いいや。

 ゆうしょくたべてから、なんだかからだがあつくって、ぼうとする……。

 おなかのおくがあつくってあつくってたまらない……。

 くろーどにだいてもらえれば、おさまるかな?

 きのうのよる、くろーどにこえをかけられて、だきしめられて、へやにあんないされて、はじめてだいてもらったの……。

 とてもきもちがよかったし、うれしかった……。

 なんどもなんどもきもちよくしてもらった……。

 くろーど、わたしのはじめてをもらってくれてありがとう。

 わたし、とってもしあわせだよ。

 はんとしまえのさいごのにげるちゃんすをだめにしてごめんなさい。

 はなればなれにされてにねんちかく、さびしかった、かなしかった、とてもこわかったよ……。

 あのへいろんていう、さぶますたーはこわいしきらい。

 いつもわたしのからだをいやらしいめでみてくるから。

 くらうんめんばーもきらい。

 いつもくろーどのことわるくいうんだもん。

  くろーどはむのうなんかじゃないもん。

 むらがもんすたーにおそわれたとき、くろーどがみんなたおしてくれて、おとうさんやおかあさん、ほかのみんなのかたきをとってくれたんだよ。

 じょぶがなくったって、くろーどはつよいんだから。

 くろーどは、わたしがぼうぜんとしてたのをかんちがいしてたけど、ほんとうはくろーどがすごくつよくてかっこよくてびっくりしてたんだよ。

 あのひからくろーどはわたしにとっては、はくばのおうじさまだもん。

 それにね、くらうんめんばーがわたしのからだにぶえんりょうにさわってくるからきらい。

 でも、がまんしないとくろーどがいじめられちゃうの。

 そんなのはいや。

 ねぇ、くろーど、わたしはここだよ。

 ここにいるよ。

 たすけて、たすけて、たすけて、たすけてよ、くろーど、こわいよ。

 もうすぐわたしがわたしでなくなっちゃうよ……。

 そんなのいやだよ……。

 わたしはくろーどのおよめさんになるの。

 それがわたしのゆめ。

 だからさんめがみさまのまえでけっこんのやくそくをしたの。

 さんめがみさまのまえでけっこんのやくそくをするとかならずむすばれるって、しさいさまがおっしゃってたの。

 うわきすると、さんめがみさまからてんばつをうけるよっておしえてもらったの。

 だから、このにねんちかくはこわかったの。

 くろーどいがいのだんせいにむりやり……、い、いあや、いあや、いやだよぉ、こわいよ、てんばつをうけちゃうよ。

 だんだんとわたしがつくりかえられていくのがこわいの。

 さいしょは、くろーどいがいのひとにからだをさわられるのがいやだったの。

 でも、さいきんはいやじゃなくなってきて、きもちよくなってきちゃったの。

 こんなのへんだよ。

 おかしいよ。

 かわりたくないよぉ。

 わたしをかえないでよぉ。

 くろーどのことわすれたくないよぉ。

 わすれさせようとしないで。

 でも、このとびらをあければ、くろーどがいるの。

 きょうもいっぱいいっぱいわたしをあいしてください。

 かわいがってください。

 いっぱいきもちよくしてください。

 いやなことぜんぶわすれさせてください。

 わたしのいとしいくろーど。

 だいすきだよ、あいしてるよ。

 いつかこのろうごくからにげだして、いっしょになろうね。

 やくそくだよ、くろーど……。

 でも、なんだろう?

 きのう、くろーどにだかれてから、せなかが、さんめがみさまにつけてもらったこんやくのせいもんがいたいの。

 どうして?

 わたしうわきなんてしてないよ?

 どうしていたいの?

 くろーど、たすけて。

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