第11話 どいつもこいつも
水面下で争っていた、万結がついに改君に手を出した。いえ、手を出して貰った。
新世改君。
情報系学科の久瀬悠翔君と仲がよく、いつも一緒にいる。
でも久瀬君の社交的性格と違い。取っつき辛く、つっけんどんな態度は、彼に受け入れられるといきなり変わる。まるで家族のように。
それにつけ込むように、万結は、体を使い。彼の懐に収まってしまった。
あの晩、送っていきたかったけれど、家の方向は真逆。
安田君が、私に好意を持っていることも知っているし、私はずるく立ち回ろうとしてしまった。
その結果。安田君と付き合うことを決めた。
そして、午後からデートし、きっと彼と一線を越す。
きっと。
そう思っていると、会うのよね。
幸せそうな2人。
そこで、万結から真実を聞く。
そんなにハードなの?
まあ良いかで、安易に受け入れられない物だったとは。
ちょっとショックを受けながら、だから愛し合うというのか。そんな思いが頭の中をぐるぐるする。
買い物をして、外に出る。
カラオケでも行こうと思い、ちょっとした物を買い込み。移動を始めたけれどどこかで叫ぶ声が聞こえる。
「ゴブリンが出たぞ。逃げろ」
一気に周辺が、騒然となって来る。
「どっちだろう?」
「広場の方だから、反対側へ抜けよう」
その時、一斉に出てきたゴブリン達が、獲物を探していて丁度空間から出てくるのが途切れたタイミングだったのね。
巣のある空間と、繋がっているところ。地下の通路に向かって私たちは行ってしまった。
途中で、景色が変わる。
眼前には、ゴブリン。
捕まっている人たちは、幾人か居て、ぐったりしている。
あっ、脱がされている。
「ヤバイ逃げるぞ」
そう言って、来た方向に逃げるけれど、なぜか洞窟の奥へと入ってしまう。
「まあいい。こっちには来ないようだから、助けが来るまで隠れていよう」
そう言って抱き合いと助が来るのを待った。
やがて、騒ぎが収まり静かになった。
一瞬改君の声が、聞こえたようだけど願望?
這い出してけれど、そこには誰も居なかった。
どうするあてもないし、ここはどう見ても地球と違う。
そこで、お互いさみしさと不安を埋め合うように体を重ねる。
万結が言っていたほど、そんなにハードじゃなかった。痛みは想像よりキツかったけれど。
でだ、気がつけば、皆が見ている。
でも、ひょっとすると、安田君とエッチをしたことは彼にも理解されている。
属性持ちならワンちゃんあるかも。
見ていたという事は、私の体に興味があるという事。
そうだよね。他の連中にも見られたけど、この際そんなこと気にしない。
彼の興味を引けた。そしてご飯をおごってくれるし、甘えるとデザートも良いと快諾してくれた。キープの座は安田君。いえ、最悪。愛人でも。良いかも。万結が大変と言っていたからその線もいけるか? 安田君でテクを練習して、すわっぴんぐも良いかも。
「おい。落ち込んでいないのは、良いけれど。凄く顔が気持ち悪いぞ」
何よ安田君。はっ横にいるという事は、正面にいる彼に見られた? 大丈夫、万結とじゃれていた。万結グッジョブ。
万結と目が合って、ニコッと笑って返す。
「ねえねえ。理花ってば、人に見られて喜ぶタイプかなあ?」
「うん? まあ状態が状態だから、割り切っただけだろ」
「そうかなあ? なんだか嬉しそうだよ」
「それは、吊り橋でも何でも、安田としたからじゃないのか?」
「そう。まあ一件落着。はっ。もう時間があまりないよ。明日は学校だし」
「まだ、午後2時だぜ。大丈夫だよ」
「昨夜だって、久瀬君なかなか帰らなかったし」
なぜだろう、底抜けの性欲がゴブリンと重なる。
帰りに、ドリンクを買って帰ろう。
「うん? 誰かが強制的に空間に干渉して感じがあるな。種を回収しておこうか」
そう言うと、その人物の足下。地面が湧き上がり。何かが書き込まれた金属に魔石が埋め込まれた30cm位の物体が浮き上がってくる。
ふふ。せっかくの楽園向こうからの干渉は、おもしろくない。
「来るのは、おもちゃと、僕の子供を産む娘だけで良い。でも、遺伝子の多様性か。まあその時期にはまた繋げば良いか」
そう言うと、その人物は転移をする。
自分の城へと。
「やっと帰ってきた。お風呂へ入ろう。もう一緒に入ろ」
そう言って、手を引く理花。
「あっああ」
こんなに、積極的だとは知らなかった。
「ねえ。安田君。お願いがあるの」
「なに?」
「何処が気持ちが良いとか、してほしいことがあれば教えてね」
「うん。分かったよ。ありがとう」
そう言って、ボディソープを手に取ると、僕の体を洗い始めた。
なんて良い子なんだ。よかった。付き合い始めて。
新世。グッジョブ。
「どわー。帰ってきた」
「お風呂。お風呂。あっ。予想外で、洗濯ができていない。着替えもない。明日学校を休んでエッチは駄目だよね」
「駄目」
「うちに帰って、着替え取ってくる」
「あっこら。付いていくからちょっと待て、危ないから1人で動くな」
「えへ。家に泊まる?」
「お姉さん。どうするんだよ」
「追い出す」
「だめだろ」
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