第2話 父親との邂逅、そして元服 1555年(天文24年)6月

この戦国時代に転生して2週間、体は回復し今や武術やまつりごと、軍の起用法に策略と色々な事を研鑽けんさんしている。


というか、すごいんだぜ!あの武田24将で叔父の武田たけだ信繁のぶしげ高坂こうさか昌信まさのぶ馬場ばば信房のぶふさに教えてもらってるんだ!いやぁ、最初会った時は感動したよ!まぁ、今じゃ厳しい教官達だけどねw

なんでも、晴信様(母上に様をつけなさいと言われた)が自分の息子達が10歳になったら、色々教え込むと決めてたらしい。


俺自身、現代日本ではインドアでゲーマーだったが、様々な事が既に体に染み付いていて、槍や刀などの武器を普通に扱えるのには、驚いたよ。あと、馬にも乗れた。


おっと、誰か来たみたいだ。


母上 「蓮二郎、信繁叔父さんが来てくれましたよ。」


「わかった!準備するね!」


武田信繁 「蓮二郎、今日は訓練をやりに来たわけじゃないんだ。親方様のところに行くからその準備をしてくれ。」


えっ?晴信様に会いに行くの?マジか、ようやく信玄に会えるのか!楽しみだなぁ!


「わ、わかったよ!準備してくるね!」


母上 「晴信様に失礼を働かないでくださいね。最近のあなた、少し言動がおかしいのですから。」


「母上、気をつけます。では、行ってくるね!」


母上 「いってらっしゃいませ!」


武田信繁 「準備できたか、では参るぞ。」


「はい!」



うわぁ、ここがあの躑躅ヶ崎館つつじがさきやかたかぁ!スゲェ!本物だぁ!


武田信繁 「早く行くぞ。蓮二郎。」


「は、はい!今、行きます!」


そのまま進んで大きな広間に通され、信繁叔父さんに言われた通りにして待った。

しばらくして、


武田晴信 「待たせたな。蓮二郎、回復してなりよりだ。こうして顔を合わせるのは久しぶりだな。今日呼んだのは、お前が回復したと聞いたのでな、来月、元服げんぷくした後にお前に仕えさせるやつを選ばせる為だ。」


「私にですか?私は庶子ですが、大丈夫なのですか?」


武田晴信 「本来なら、お前には父親が私だと告げずに暮らしてもらう予定だったが、三男が盲目、四男が足の障害があったのでな、お前が10歳の頃に武田家本家に加えると決めた。これは、皆に伝えてある。だから、大丈夫だ。」


「分かりました。しかし、選ばせるとは一体…?」


武田晴信 「本来なら俺が決めて、仕えさせるのだが、信繁に昌信、信房がな、お前の考え方があの熱を出して以来面白くなったと言っていてな。試してみたくなったからだ。まぁ、こちらが試すのだから、そうだな、3人選んで良いぞ。もちろん一門衆はダメだぞ。」


マジか!選んで良いのか!あの武田家家臣の中から!これは是が非でも認めてもらわねば!やっぱりあの3人で決まりだろ!


「なるほど。そういう事でしたか。なら、遠慮なく申させて頂きます。服部はっとり半蔵はんぞう、高坂昌信、馬場信房の3名にしたいと思います。」


武田晴信 「その理由を聞いてもよいか?特に、何故、服部半蔵を選んだかを。」


「はっ。まず服部半蔵ですが、諜報や潜入に長けた一族であるということです。私は、戦は準備の段階でどれほど準備できたかで決まると思っていますので。高坂昌信と馬場信房は、教えてもらって頼り甲斐があると思ったからとそれぞれの得意な分野を私が必要としているからです。」


武田晴信「ほう。やはり聞いていた通り面白いな。良いだろう。お前が選んだ通りに指名してやる。ふむ、これからの活躍に期待しておるぞ。」


「はっ!かしこまりました!」


とりあえず、気に入ってもらえてよかった。でも、欲しいと思ってた奴らが手に入るとは中々についてるな!これから現代日本で思い描いた事を試していくかな。



それから1ヶ月は凄まじかった。いつものように訓練などをしながら、元服に向けての準備等、色々ホントに忙しかった。


そして、ついに今日!元服するんだ!


武田晴信 「汝を武田たけだ信輝のぶてるとする!さらに、服部半蔵、高坂昌信、馬場信房をお付きとし、高遠城たかとおじょう城主とする!さらに、高遠城に詳しい保科ほしな正俊まさとしを信輝、お主に付ける!信輝は準備が出来次第、即刻高遠城に赴任せよ!」


えっ、更に槍弾正と恐れられた保科正俊まで付けてくれるのか。至れり尽くせりだな。あっ、返事をしなくては!


「はっ!今後も武田家繁栄のために微力を尽くします!」

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