第1話 転生!? そして、混乱! 1555年(天文24年)5月

母上 「先生、蓮二郎れんじろうは大丈夫なのでしょうか?」


医師 「山場は過ぎておられますので、もう大丈夫かと思われます。しっかり食べて寝られればご回復しますでしょう。」


母上 「ありがとうございます、先生!」


医師 「では、私はこれにて。何かあればお呼びください。」


どうしたんだろう、なんか慌ただしいな。こっちは寝てるのに、静かにしてくれよ…。てか、誰だよ、蓮二郎って。まぁ、いっか。さて、起きるか。


母上 「蓮二郎、起きたのですか?体は大丈夫ですか?」


ん?知らない天井だ。てか、なんだ?この古き良き日本家屋は。俺の家はワンルームのマンションだぞ?


「体は少し怠いくらいです。あと、ここはどこですか?」


母上 「ここはどこって、どうしたの?ここは、あなたと私が暮らしてる家よ。汗をかいて気持ち悪いでしょう。お湯を持ってきますね。」


んー、どういうことだ?俺は、飯食って課題して、その後にゲームしてたと思うんだけどなぁ。とりあえず、色々聞いてみるか。


母上 「お湯を持ってきたので、体を拭きましょうね。背中は私が拭いてあげますよ。」


「あの、拭く前に少しお湯の入った器を見せてもらっても良いですか?」


母上「?良いですよ。はいどうぞ。」


!?誰だこのイケメン!えっ、これマジで俺なのか?どういうことなんだ?



この母と名乗る女性に色々聞いてみたら、今は天文てんもん24年(1555年)の5月で、俺は武田たけだ晴信はるのぶ(後の信玄しんげん)の庶子であり、次男なんだと(あと、この年の6月で15歳になるらしい)。そして、この家は、その晴信様から与えられた俺達、母子のものらしい。当然、女中も数人いるらしい。


って、マジか!?タイムスリップした上に武田信玄の次男って。しかも、歴史上の事とは違う次男みたいだ。だって、歴史上の次男って盲目だったからな。今、目見えてるし。聞くと、三男がその盲目の子どもらしい。


てことは、なんかズレて生まれてるって感じだな。とりあえず、色々聞き出したし、体も本調子じゃないから寝るか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る