第2話
「醜い」という言葉を知ったのは、つい3週間前のこと。
俺の前を通り過ぎた豪商の年寄りがそう言い放った。
仲間に意味を聞くと、まぁ、そんなような意味だった。聞いたことはなかったが、なんだか親近感が湧いた。その意味を聞いた仲間も、今は行方がわからない。
置いていかれたようだった。
またか、と思った。
行く宛もなくなったおれは、前までいた、いわゆる「汚い」裏路地にうずくまっていた。
悲しいわけじゃない、ただただ今後のことを悩んでいるだけだ。
しかし、まぁ、気は少し軽くなった。
1人ならば、飯に困ることもまぁない。
寝床も、広いとこを探す必要もない。
でも、なぜだろう。
こんなに、異常なまでに心が軽くなってしまったのは。
でも、今なら思える。
この心の異常なまでの心の軽さは、
「未来」に備えた、大掃除によるものだったと。
「いってて…」
その、「未来」というのは、眼の前に突然降ってきた男によってもたらされるとは、当時の俺、××××××は思いもしなかった。
composer 赤白夜 @red_white_moon
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