068 間道の山道で魔物と盗賊を退治した

 今日の御者は、侍女さんとステファニーさんだ。アカが御者をすると、魔物も盗賊も慌てて逃げてしまうからね。


 僕の右はアカ、左にマリアさん。侍女さんだけ向かいでは座りづらいだろうからマリアさんの隣に座って貰う。

 

 今日は何も出てこないな。バトルホース4頭立て2台の馬車は怖いのかな。数日何も出ず。


 やってきました。前回魔物と盗賊が出た山道の間道版。とりあえず麓に一泊。誰もいないもんね。堂々とスパ棟と厩舎を出して、外にテーブルを出して見せびらかすように夕食。見てるかな。盗賊さん、魔物さん。襲ってくるのは山に入ってからだろうね。

 諦めの心境で寝る。何がって、ステファニーさんがまた一緒に寝てるからね。


 さて、朝になった。お楽しみの日だ。行くぞ。


 今日は一頭立て馬車にする。1台目は、オリメさん、アヤメさん、御者は侍女さん二人。2台目は収納した。先導はブランコ、エリザベスさん、ステファニーさん、馬車と続いて馬車の両脇に騎乗で、左に、アンナさん、マリアさん。右に僕、アカ。殿はエスポーサだ。ドラちゃんとドラニちゃんは一応二人で騎乗というか馬の背に寝転んでもらって自由に動いてもらう。


 山道に入りましたよ。出てきます。魔物が。エリザベスさんとステファニーさんの鞭がうなりをあげる。槍になり、剣になり、棍棒になり、あっという間に殲滅だ。両脇からくる魔物は、アンナさん、マリアさん、僕、アカで殲滅。後ろから襲ってくるのはエスポーサが殴り飛ばす。数が多ければ手伝うけど、エスポーサだけで十分みたい。ブランコは目の前の魔物だけ蹴飛ばして、ウオンウオンと嬉しそうに進んでいく。我がバトルホースは一頭で坂道の悪路を余裕で馬車をひいて登っていく。


 山道を登り切ってやってきました峠。間道の峠は東西街道の峠から一山越えたところにある。出てきました。盗賊の皆さん。東西街道は盗賊が討伐されて通行量が増えて、なかなかシノギがしづらくなったようだ。間道の訳ありを狙う方針に転換したのだね。四方八方から来る。間道はそんなにカモは来ないだろうに随分盗賊がいる。食いっぱぐれの盗賊だな。そういう盗賊は前後忘れて襲ってくるからタチが悪い。


 よしよし、それならこちらもフルでお相手しよう。馬車の侍女さんが矢を放つ、エリザベス師弟の鞭が鳴る。マリアさんのロンクソードとアンナさんのショートソードが振り抜かれる。ドラちゃんとドラニちゃんを乗せたバトルホースが盗賊を踏み潰す。ブランコとエスポーサが殴りつけ、噛みついて振り回す。あれ、僕とアカの出る幕がない。


 お、エリザベスさんとステファニーさんが盗賊を取り囲んだ。アジトを吐かせている。中々吐かないね。シン製金属多節鞭は皮の鞭モードだ。危うし盗賊の股間。

 出た。

 「またつまらぬものを打ってしまった」

 鞭で股間を打たれた盗賊は悶絶してしまった。


 残った盗賊は震え上がって股間を押さえてアジトを白状した。股間は無事だったが首はステファニーさんがコロッと切り落とした。


 アジトは今回はもう少し下に降りたところにあるみたい。ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、行っといで。


 転がっているご遺体はアカに消してもらった。下の方でドッカーンと音がした。また潰したね。今度は中腹だから山頂が下がることはないけど。

 「やった、やった、やった、やった」と戻ってくる。よしよしいい子だね。綺麗にしてきたか。

 「綺麗さっぱり埋めた」

 そうかい、よしよし。


 ゆっくり山道を下る。何も出てこないな。山の麓で一泊だ。もちろん、大活躍の皆さんには夕食に魔の森の泉の水に谷川の水をポタポタしたのを出した。お馬さんにもね。デザートは劣化袋を通過した巨樹の森の果物だ。お馬さんには同じく人参をたっぷり進呈した。今日はバリアを張り、スパ棟と厩舎でゆっくり休んでもらう。


 さて、今日も天気がーーーあれヒュンヒュン音がする。鬼軍曹が鞭を手にしている。新参兵は必死に鞭を振っている。恐ろしい。何が恐ろしいかって言うと、鬼軍曹も新参兵も実に楽しそうなことだ。


 「あのう、そろそろ朝食にしませんか」

 「あら、もうそんな時間。昨日よりだいぶ上手く振れるようになったわ」

 「ありがとうございます。鞭は楽しいですね」

 ステファニーさんも鞭道まっしぐらだ。くわばらくわばら。


 今日から元の4頭立て、馬車2台体制だ。ゆっくり進むとだんだん開けてくる。のんびりした風景が広がってくる。


 数日して王都の西門が見えてきた。エチゼンヤさんの茶屋に寄って、馬を預けた。

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