第30話 遠い日の話

2月4日

見せないって決めてたのに。つい言っちゃった。

それでも聞こうとしないのは桜翔くんの優しさだね。

私はその優しさに甘えてしまっている。


 確かにあのとき僕は現実から逃げていた。それは今だってそうだ。自分には桜夢という友達がいていつの日もあの部屋にいる。その事実に甘えている自分がいたのは確かだ。

 つい数週間ほど前の内容でさえほど遠い日のように思い始めていた。

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