第2話
7月が終わろうとしている。
夏の風物詩的に7月の末ごろから花火大会があちこちで開かれる。
その幾つかはうちのベランダからよく見えるので、それを家族で眺めるのが習慣だったというか。
姉が独立して別の場所に住むようになり、父が逝き、そして母も今月のはじめに旅立った。
1人で花火をみた。
去年の今頃もその前の歳もいつもこれが母と一緒に見る最後にならなければいいなと思っていた。
そして今年そうなった。
いつかこの日が来るとわかっていて、でもたぶんもうちょっと先のことだとどこかで思っていて。でもそれは本当に突然起こって、なんとなく実感がまだわかないのにそれでももうそれは起こってしまってもう2度と後戻りはできないのだと思い知る。
辛いから思い出したくないというのもありながら忘れてしまいたくない気持ちかつい思い出を必死でなぞって。思い出せば涙がとまらくなるのはわかっているのに。
ここからはもう母には会えない。先に旅立ってる父のことですら時々辛くてたまらなくなるのに。
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