よくある悔悟のはなし

@pcoulsonlive

第1話

何から書き出せばいいのか....。


昨日病院に母のお見舞いに行ったら帰り際に「ありがとう」と言われた。あまりにも思いがけない言葉だったのでビックリした。というのもここのところ母はずっと寝ていることの方が多かったからだ。寝ていることの方が多かったというより、起きているときに当たればラッキーというレベル。コロナ禍あけで面会時間は15分。なかなかの賭けだ。


訪問入浴の日、高熱をだし看護師さんから救急車を呼んだほうがいいと言われた。原因は尿路感染で抗生物質を2週間ほど投与すると言われた。2週間が経過しウィルスは抗生物質で対応できたが血尿が止まらず貧血状態にあるという。いつショック状態におちいってもおかしくないコンディションと担当医の方から告げられた。


あまりにも突然で。

もちろんいつかはという覚悟はしないといけないと思ってはいたけれど、でもどこかでまだまだ先のことかと思っていた。

こんな風に唐突に母と過ごす時間が途切れるとは思っていなかったといえば嘘になるけれどもやっぱり簡単には受け入れられない気持ちの方が多かった。


実のところここからは冒頭の文面を書き出してから約1ヶ月ほど経過している。

あの後母は回復した。熱は平熱に戻り、血尿もとまった。それでもまだ点滴からしか栄養がとれていないから自宅では難しいと担当の先生から言われて。そしたらなんとエンシュアリキッドを飲めるようになったのだ。口からものが食べられるようになったのなら私でも介護できる!家に戻ってこられる!そう確信をした矢先のことだった。


というわけで今はロス鬱の真っ只中にいる。


今さっき食料品の買い出しに出かけたら物産展をやっていて母が珍しくとても気に入っていたロールケーキが売っていて「あ!これ!」と反応してしまったもののもう母はいないのだ。


その事実に早く慣れなくてはいけない。


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