第12話 エンブリオ_2
「しい君、ちょっと息を止めて」
「うん」
「……うん、はい。息吸って……」
「ん」
「吐いて」
「はあぁ」
「……はい、よし。耐衝撃ゴム手袋、もっと薄くならないかしらね」
「聴診器で聞こえないの?」
「一緒に肺のふくらみとかしっかり感じたいの。脈も」
「騎士は病気にならないから平気だよ」
「そうだけど……しい君の世話係としてちゃんと知っておきたいでしょ。しい君が強いのは知っていても」
「キュレネラ?」
「動かないでね」
「うん」
「……普通の子はこうやって、頭を撫でてもらうものなのよ。こんなゴム手袋なんかしないで、素肌で」
「キュレネラが死んじゃったら困る」
「しい君に心配してもらうなんて光栄ね」
「僕はエオトニアの騎士だから。キュレネラも僕が守らなきゃいけないエオトニアの一人だよ」
◆ ◇ ◆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます