第13話

 6時限目は部活動についてとその他諸々の連絡だった。


 どうやら高校も部活動は強制参加らしく必ず部活動に身を置かなければならないようだ。元々運動部に入るつもりだったブレイブには関係ないが部活が好きではない生徒からすればショックだろう。


 部活に入る申請書が配布され、来週の週明けに用紙を回収して正式に部活に入れるらしい。今週は体験入部の期間で好きな部活動に自由に参加ができる。早速何処の部活に行こうかと考えを巡らせている間に授業は終わった。ホームルームは無しで直ぐに解散の流れとなった。


「瀬戸内は部活動するんだ?」


 今日の放課後から体験入部の解禁だ。早速背後にいる最初の友達である瀬戸内に聞いてみる。運動部を希望するなら一緒に色々と見て回ろうと思ったのだ。


「あっはい。適当な文化部に入ろうかと思ってる...部活好きじゃないから...」


「そうか。俺は運動部に行こうと思ってたからさ、同じ希望だったら一緒に行こうと思ってたんだ」


「そうなんだ、頑張ってね。俺はとりあえず今日は帰るから...また明日」


 トボトボと猫背のまま帰っていく瀬戸内にまた明日な!と声をかけて部活に向かう支度を整える。ふと横に視線を向けると隣の席にいる御伽林はまだ帰っていなかったので声をかけた。


「御伽林は部活どうするんだ?」


 声をかけられと思ってもいなかったのかびくついた反応をする。


「わ、私?うーん実は決めかねていてさ、運動部に入る予定だったんだけど気になる部活があったんだよね」


 たしかに御伽林は引き締まった体をしている。特に脚が太いが腕はそこまで筋肉質ではないので陸上の短距離やハードル辺りでもやっていそうだ。


「何か面白そうな部活でもあったのか?」


「まあ...ね。なんか超常現象研究部って怪しい部活があるんだよね」


 もはや地雷臭しかしない怪しさ100%の部活であった。想像の斜め上を行った解答で度肝を抜かれる。


「そんな変な部活動があるのか...たしかに気にならないと言えば嘘になるな」


「でしょ?入るかどうかは別として一度行ってみようかなー。十六夜君も行ってみる?」


「嬉しい申し出だけど遠慮しておくよ。運動部で興味ある所が多くてちょっと余裕がないんだ」


「そっなー残念。じゃあ運動部、頑張ってね」


「ありがとう!それじゃあまた明日」


 別れの挨拶をして教室を後にしていく。ブレイブは中学校とは違う部活に入り、高校生活を満喫したいと考えている。一先ずはサッカー、ラグビー、バスケ。そこは確実に行きたいラインだ。もう一箇所回れそうだがそこはまだ決めかねている。見たことも聞いたこともないライフル射撃という競技にも興味はあるし、弓道も純粋に楽しそうだと思っている。


「とりあえず今日はサッカー部だな!」


 今日は運動靴で登校したから準備はバッチリだ。直ぐに玄関で履き替えてサッカー部室へと向かうのであった。

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