第12話
「それではロングホームルームを始める。席に着けー」
4時限目までは国語や数学といった通常の授業を行い、5、6ではロングホームルームの時間だ。入学してまだ2日目。学級委員や委員会に部活動の説明などまだまだやるべきことがあるのだ。
「ではまず学級委員委員からだ。男女各一枚ずつ。やりたいものがいれば挙手してくれ」
この手の役割は基本やりたがらない人間が多い。理由は単純明快、めんどくさいからだ。
かくいうブレイブのその一人で学級委員はやりたいと思ったことは無いしやったこともない。運が良いことに毎回やりたがる人間が同じクラスにいたのでこれまで回避できていた。
(今回も別の人がやってくださいますように!)
すっかりその環境に慣れたブレイブは高校に入ってからも同じ事象が起きるように天へ祈った。
「...女子は無しと。で男子から
祈りは届いた。彼は渡辺五兄弟の次男の
因みにクラスには五兄弟の内、二人が在籍している。次男と四男だ。四男の名前は
「では継実、ここからは任せた」
「承知しました」
先生が教卓を軽く叩き、教壇に立つように指示をする。委員長の片割れが決まったのでここからは彼が主導で進めていく。
「では、女子の方で委員長を立候補する方はいますか」
一度目は全く挙手がなかったが今回は四人の立候補があった。非常にわかりやすい、イケメンの継実とお近づきになりたい人間が挙手をしたのだ。現金な奴らだなと彼女らの様子を傍観する。四人の候補の中から決めなければならないが、ジャンケンで決める方向に流れた。
普通なら誰が相応しいか投票するようなものだが、そこまでクラスメイトの理解が進んでいないので適当に決めろと先生からのお達しだ。票が割れて決選投票とかもめんどくさいのだろう。
委員長決定大会を制したのは
そこから先は滞りなく話は進み、5時限目は終わった。ブレイブは図書委員会に入ることになった。学園祭実行委員など面白そうなので入りたかったが、案の定競争倍率が高くジャンケンで負けてしまった。
余っていたのは人気のない委員会でその内の図書委員を志望したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます