第7話
「いやー間に合って良かったよ。...えーと。...君は?」
「...?ああ、俺は
君はと聞いてくる人間なんて中々いない。少しばかり戸惑ってしまった。
「...そうなんだ!私は
満面の笑みで返してきた。黒髪のショートヘア。ボーイッシュを感じさせる見た目にとっつき易い明るい性格。多くの男たちを勘違いさせそうな美少女がブレイブの隣の席の主であった。
(結構かわいいな...)
ブレイブの前世、アレフの年齢は25歳だった。年相応の好みがあり、同年代や少し上の年齢の女性がタイプだった。歳下、特に15歳辺りなんかはとっくの昔に興味が失せているし、なんなら大人になってそんな幼子がタイプなんてロリコンなんじゃないのかと思う節があった。しかし、現在ではそんな15歳の少女が大変魅力的に映ってしまう。
(精神的年齢が肉体に引っ張られてるってことだよな)
そう、心が肉体に寄ってしまう。今迄転生の経験がなかった故に無知だったが、転生した今ならはっきりと理解できる。赤子であった時は離乳食に拒否感があったが食べてみると美味しかったし、すぐにその先入観は消えた。積み木やガラガラといった玩具も妙に楽しむことができた。絵本や幼児向けアニメも問題なく楽しめた事で確信を得ていた。
「席、着いているか?」
悶々としているといつのまにか教卓には教師が立っていた。辺りは完全に静まり返っており、緊張感が漂っている。
「はじめまして。私が1年間このクラスを担当する
第一印象はメチャクチャ怖い。それ以外に言いようはない。なにせ周りの生徒たちの笑顔が引き攣っているからだ。
白いスーツに真っ赤なネクタイ、挙句の果てに顔にはグラサンをかけており右目の周りには十字の傷が付いている。何とは言わないがそっちのお仕事でもしてるんじゃないかって形相だ。
「これから出席をとった後に廊下に並んで入学式に向かう。元気よく挨拶しろよ」
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