第3話
アレフはようやく自身の異常に気がついた。上手く動かせないのは赤子だから。首も座っていないし、ろくに喋ることもできない。そして、それと同時に自分が死んでしまったことを自覚した。
(赤子ってことは俺は死んでしまったのか!?いや、そもそも転生魔法を俺は習得なんてしていない。なんで転生ができているんだ!?)
不思議なことであった。本来なら転生魔法という超高度な魔法を扱わなければ死んだ後、新たな生を授かっても以前の記憶や能力は引き継げない。転生魔法も無しに転生を成し得ているのは異常事態だ。
(...いや、それを考えるのは後回しにしよう。問題は今どの国にいるかだ。どのくらいの時が経った?俺の知らない物があるって事はかなりの歳月が経ったのか?)
すると、部屋の奥から一人の女性が現れた。
(...黒い髪?魔族の者か?)
黒い髪は元来魔族の特徴だ。アレフのいた世界の人間は基本的に金髪。稀に赤毛や茶髪などがいる程度。故にアレフは魔族に生まれ変わったと推測したのだが。
「86uくiawみt3mlegか。ブレイブg2たやk934lmu」
(な、何を言っているんだ?)
言語が理解できなかった。聞いたこともない言葉に戸惑う。魔族であっても言語は同じはずだ。統制言語と呼ばれる神によって文も言葉も統制された世界だった。どの種族だとしても同じ言葉を交わす。それが絶対の掟。つまりだ、それが何を指すのかというと。
(全く知らない異世界に来てしまったのか!?)
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