5〜6歳

5〜6歳くらいの記憶。

ここからは若干複雑で僕自身

上手く簡潔に鮮明に描けるか自信がない。


夏になると祖父と一緒に夜

カブトムシを近所の図書館裏にあったクヌギの木に探しに行った事がある。

行くとだいたい収穫はあまりなかった。

逆にライトでクヌギの木の幹を照らすと茶色の横長いたわしの様な

毛虫がいたのを今でも覚えてる。


今考えると祖父はかなりバイタリティある人間だった。

僕はこの昆虫採集が影響したのか昆虫の成虫と

カブトムシの幼虫は平気で触れ意外と好きだ。

それ以外の害虫、幼虫は発狂するほど大の苦手だが

それはほっといてくれ。


ある夏の日、祖父の家に行くと

ちょうど祖父が本家の畑から帰ってきた。

プラスチックの塵取り様な大きなざるを持っていた。

祖父が「ほれ!りあんが好きなやつ取ってきたぞ!」

自慢げにザルに入っていたものを僕の目の前でばら撒いた。

カブトムシのサナギ、一匹だけではない。

何十匹もいた、軽く20はいただろう。

確かに好きだったけどあまりの数、変なふうに

蠢いていたので僕は内心、ドン引きした。


祖父が言うには腐葉土の中にいたのを持ってきた。

ばら撒いたのが玄関だったので祖母が祖父に小言が始まった。

その後サナギたちは祖父が作った木箱に籾殻と一緒に入れられ

夜に羽化するとそれを放つの日々が何度かあった。

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