4歳

4歳になってからは色々と覚えている事が多い。

僕は5歳までほとんど母方の祖父母の家に預けられていた。

母は妹を産むまでバリバリ教師として働いていた。

保育園の近くには母が勤めていた小学校があり

帰りに何度か祖父に連れられ行った事がある。


その時いつも飼育小屋にいる赤い目に大きなうさぎ

「ジャンボ」という日本繁殖ウサギの雄をずっと飽きずに見ていた。

当時の母曰く「脱走の常習犯」だったらしい。

実際最後は穴を掘り飼育小屋から脱走しそのまま帰って来なくなってしまった。


他に覚えているのは保育園の迎えに祖父が来て

ハイジェットに乗った時のことだ。

僕は後ろの後部座席に座っている時のことだった。

横に小さな木箱があった。箱には所々穴が空いており

何かガサゴソと音が聞こえた。


僕は気になり木箱に空いた穴を覗くと

ギョロリと鋭い目つきの何かが覗いていた。

僕は箱の中身が何か祖父に聞くと「チャボの番」

鶏が2羽入っていることが分かった。

卵を産む為に知り合いからもらったらしい。


祖父は動物が好きな人だった。

祖父の本家が兼業農家の家で鶏はもちろん

馬やウサギも飼っていた。今は猫を飼っているらしい。

本家には僕も祖父に連れられ何度か行ったことがある。


昔ながらの平屋で和室が異様に広かった。

そこで僕にとっては、はとこにあたるかなり年上の兄が

一度か二度遊んでくれた事がある、顔は覚えていない。

でも優しかったような気がする。

ゲームボーイのソフトをいくつか持ってきてくれて

好きなの選んで遊んで良いよって言ってくれたのが何となく覚えている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る