第11話 部屋に眠る秘宝
神様が僕の部屋(借りてる部屋)にいるその非日常、だが、客観的に見ると僕が女の人二人を連れて部屋にいる状況にも見える。
状況が状況だが、隣の部屋にこのやり取りが聞こえていないかが心配だ。
それを読み取った座敷童は、人差し指と中指を立て忍者の印のようなした。
その後すぐやめた、特に何かが変わっているわけではないので、何をしたのかを聞いた。
「清悦ながら防音の術をかけさせていただきました。不要でしたか?」
「いえ、すごく助かります。」
「そうですか、なら良かったです。しかし防音の術中でも暴れられたり騒音を出しますと術の外に音が漏れるのでお気をつけてください」
「ありがとうございます。暴れたり騒がしくするつもりはないので大丈夫だと思います」
防音の術、聞いた感じそのまんまだ。
効果は地味に見えるが便利な術だ、と思う。
感心している片目に神様は僕の部屋を物色している。いろいろと遠慮のない人(神様)だ…、見られて困るものは部屋にはないので構わない…
いや、待てよ…一週間前に友達が来て
も、神様のことだ、恐らく薄着の女性の表紙を見ても興味を示さないはず。と思っていたら、案の定神様に本が見つかってしまう。
焦りの色を見せないように、神様に提案する。座敷童の怪訝そうな顔を見ないようにしている。思考が読めれているのはわかっている…だが、今は気にしている場合じゃない。
「神様、ところで、ここにはいつまで居られるつもりでしょうか? この部屋には僕の友人も来ると思うので神様のことを説明するのも憚られるのですが」
「ふむ。友介の友人か… 面白い会ってみよう!」
「あ、いやぁ… 面白い奴かはどうかは、分かりませんが、神様のことは秘密にしておいた方がよろしいかと。今の時代に他の神様を見かけることは無いですし、今神様のことが流れると世の中が混乱するかもしれないのです。その様な危険は抑えている方が得策かと…」
「ふむ、よくわからぬ。人は神を崇め奉るものじゃったが、今はそのようになっておるのかぁ」
途中から早口気味になっていて焦りを何とか隠すことに成功した。
会話の内容は誤魔化す為の嘘ではない。事実、「神が実在する」となれば日本中、いや最悪の場合世界中のカルト集団がなにか仕出かすかもしれない。自分の身を守る為でもあるし、神様達を守るため…といっても神様達なら大丈夫だろうけど、念には念をいれておく必要がある。
友人には会ったらたっぷりお礼を返さないといけないな…
僕は俯き、顎に手を当て頷くばかりだ。
「なるほどのぉ、して、この書物はいったいなんじゃ?
予想とは逸れた結果に思わず焦る。
やばい、どう説明しようか、と焦っていると座敷童がフォローを出してくれた。
「主様、お戯れもそこまででよろしいのでは?」
「ふむ、友介の焦る姿をもっと見たかっとのだが、残念だのぉー」
「はぇ?」
「わたしとてそこまでの阿呆ではないからの、異性の裸同然のモノがある書物が一体何なのか察しが付くわ」
顔面が赤くなっているのか、青くなっているのかわからないが、顔中が赤くて汗が湧いてきている感覚がある。
正直侮っていた。神様のことだから察しが悪いものだと思っていた…冷蔵庫の中のものを勝手に食べ、人の部屋の中を勝手に物色してりするのだ、察しが良い人のすることではない、と勝手に思い込んでいた。
いや、そう思い込まされていた。
今までの行動はすべて布石だったのだ。神様は策士だった。
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