第2話 実家に帰ろう
久しぶりの帰郷
小さいころ、嫌になるまで見た実家の風景
だがこうやって数年ぶりに帰って見ると懐かしさが溢れる。
小学校の登下校の道を行ってみたり、よく遊んだ公園を覗いてみたり
幼心に帰るというやつだな…違うか、まぁいいや
実家に帰り、予め連絡もしていたので何のごたごたもなく元いた部屋を使えるようにしてもらっていた。と、言っても掃除してもらっただけだが。
「あら! 友ちゃん! おかえりー」
「ただいま、母さん。掃除ありがと」
「いいのよーそれよりお父さんも待ってるんだから」
「うん」
僕の母親『大垣 友子』が玄関で迎えてくれた。
ほうれい線が濃くなっていても昔の面影を残している。優しい笑顔で迎えてくれた。
「あなたー友ちゃんが帰ってきたわよー」
「あぁ」
「あの人相変わらず不器用なのよねぇ、ほんとは嬉しくてしょうがないのに」
「相変わらずだね」
僕の父親『大垣 耕介』は返事だけを返す。
昔から寡黙な人だ。やりたいことはなにがなんでもやる貪欲な人だ。
ご近所ではかなり顔が知れているので、おじさん連中にかなり話しかけられたりする。
「父さん、ただいま」
「おう」
「まったく、ちゃんと返事をしなさいよー 友ちゃん帰ってきたんだから」
「はは、長期休暇だから少し顔を見せようって思って」
「そうか」
「まったくー」
夫婦仲は相変わらずのようで安心した。
僕は実家に二日間寝泊りすることにしている。その後は目的の神社に行くことにしている。
その日の晩、家族とご飯を食べているときにそれとなく神社の話を切り出した。
神社に関してネットで調べても出てこなかったので、地元の人間が一番知っていると思ったのだ。
「そういえば、小学生か小さいころ、向こうの山の神社でお祓いしてたよね」
「そんなこともあったわねー昔すぎて忘れたわー何かあるの?」
「いや、昔のこと思い出してさ」
「そうー、なにかあったかしらね? あ! そうよ、あそこの神社、かなり昔に建てられたそうなのよねー、五百年くらい前じゃないかしら?」
「そんなに?!」
「なんでもある神様を奉ったか、なんかで。かなり昔だから人身御供とかあったんじゃないかしら? ねぇ?」
「人身御供があったんかは知らんが、あっこら辺は立ち入らん方がええ」
「へぇー」
人身御供があったなら間違いなく幽霊はいると思われる。
それにどんな話があったかは分からないが、少なくとも恨みとかの負の念はあるだろう。
負の念が集まる場所には幽霊が集まりやすいと聞く。(掲示板調べ)
幽霊が集まるとそれを取り込むか、食うかする強い霊も出て、手の施しようがなくなるとか…(掲示板調べ)
だが、あの辺りで霊に食われるとか、襲われた、とか聞いたことは無い。
精々出たとか、しか聞いたことがないから、人身御供は無かったのかもしれない。
謎は増すが、それが面白いのだ。
謎のままでもいいが、少しだけでも近づきたい気持ちがある。
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