心霊スポット巡りしてたら神霊スポットでした

あたりめ

第1話 趣味は心霊スポット巡り


 僕こと、『大垣 友介』の趣味は心霊スポット巡りだ。


と、言ってもこの趣味に目覚めたのは先週からだ。


きっかけはとあるネットの記事を見たことから始まる。




   某有名ネット書き込みサイト

 芸能、ニュース、スポーツに、アダルトまで幅広い掲示板

そこで僕はを見つけたのだ。

サイトを下にスクロールして、一際目に入った

というスレットだった。


 内容はよくあるような内容だったと思う。

関西地方の某有名心霊スポット、〇〇トンネルに始まり、××公園、△△駅前等

高校時代に一度、度胸試しに行ったことがあるのだが、何も起こらず、「時間と労力の無駄」、合わせて学業が忙しくなり、以降心霊スポットに行くことは無かった。


 だが、このスレットを見ると不思議と背筋が凍り付き、高揚感が増し、口角が吊り上がっていく感覚が確かにあった。


 ちなみに僕は、書き込みをしないで傍観している人間、通称『rom専』というやつだ。


 あの時の高揚感を忘れないうちに僕は心スポ巡りの計画を立てる。

大学の長期休暇の時期も近いこともあり、実家の□県のある山に小さなボロい神社があることを思い出した。


 小さいころに幽霊が出る、出た、と噂になっていたのを思い出したのだ。

一時は有名な除霊師を呼んだこともあったのだが、除霊できなかったのか、できたのかも分からない顔で戻ってきていた。

 あの時の表情は大人たちが囲んでいて見れなかったのだが、周りの大人たちの反応が芳しくなかったのは覚えている。


 オカルト板で見たことのある、『除霊しようとしたらやり返された』パターンなのだと、今になってそう思った。

相当強い幽霊、いや怨霊だったのだろう、と今は心が弾んでいる。


 幽霊が怖くないのかと聞かれれば、そういうわけではない。

スレットの内容を読んでいて、背後を振り向くのが怖くなったことなんてざらじゃない。


じゃぁ、なんで心スポなんて行くのか…



「決まってるだろ…! 限界を超えるためだ!」



僕は一人で、神社がある山の前でそう言うのだった。

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