昔の友人がサイコバニーと呼ばれている件について

あきかん

第1話

 バニーと呼ばれていた友人がいた。バーナードという名前のそいつのファーストネームがバーニーで、それを聞いたクラスメイトがバニーバニーとはしゃぎ、その流れで呼ばれるようになった。

 そんな感じで決まったそいつのあだ名だったが、本人も偉く気に入っていて、バニーを自称するようになったのだが、それは別のお話。

 このバニーと私は親友、幼馴染と言っても良い関係だった。新しい物好きの私は(飽き性とも言う)、バニー君が持ってくる海外のボードゲームに惹かれて彼といつもつるんでいた。

 バニーが海外の物を持って来ては、僕だけは飽きずに目を輝かせて、「見せて見せて」言い寄っていった。

 私も負けじと面白そうな物を見つけてはバニーに見せた。小学生の時分だったからヤドカリやクワガタ、カブトムシなどが大半だったけれども、バニーは私に付き合ってくれていた。そして、遊ぶ場所は近所の小さな神社が私達の隠れ家だった。

 私の故郷は海辺の街で、隠れ家にしていた神社は港を見下ろす様な崖の端に建てられていた。面積も狭く、大人が3人いれば手狭に感じる程度しかない。そんな立地な為か用事が無ければ誰も寄り付かないそこは絶好の秘密基地であった。

「放課後はカリヤド様の所で。」

「わかった、先に行ってて。」

 といったやり取りをバニーとは良くしたものだ。

 ある日、このカリヤド様にお願いをしようという事になって、私は父親に最後に買ってもらったエンピツを持参し、バニーは何かよくわからない指輪のような貴金属を持ってきていた。

「カリヤド様カリヤド様どうか願いを叶えて下さい。」

 と、私達はカリヤド様に宝物を捧げてお願いした。私は足が速くなりますように、なんて如何にも小学生らしいお願いをした事は覚えている。

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