第24話. 新米戦士と新米僧侶2
朝が来て昼が来た。アリストは結局昼まで寝ていた。
「なぜ起こしてくれなかったんだ!今日は朝イチで噴水を見る予定だったんだぞ」
相変わらずの休暇モードでアリストは捲し立てる。
「いえ。起こしましたが、『後すこし』をほんの15回ほど言われまして…それと『初日だし明日からで回ればいい。噴水は逃げないぞ。コウタロー。』とも言っておりました。」
コウタローは手帳にメモを見ながら話す。何回言われたか、何を言われたかメモしていた。
「私がそんな怠惰なことを言うなんて…まるでどこかのアホのようだ。まぁ。噴水は明日でいい。とりあえず腹ごしらえに屋台街へ行くぞ。」
アリストは過去の自分の言語に打ちひしがれる。
「アリスト様。本日はその前に行かないといけないところがありますよ。」
そう言ってコウタローはアリストをある場所に連れて行った…。
「ここは?」
アリストは側から見たらボロい小さな神殿のような石造りの建物の前に連れて来られた。
木製のドアを開けるとそこは冒険者組合だった。
「この国での身分証明書が必要になりますので、とりあえず冒険者組合で登録しておきましょう。」
この国の平民達は基本家で働くのみ、街の外に出る物など、商人と冒険者くらいなものだった。
そのため、身分証明書に冒険者カードが一番容易く手に入った。
「ちょっと待て、お前の魔術で私は人間に、それも勇者になっているのだ。今更なぜ必要なのだ。」
「僕も離れることもあるかもしれませんし、備えて置く分には問題ないかと思います。因みに私は朝起きてすぐに手続きは済ませて参りました。」
そう言ってコウタローは自分の冒険者カードを見せつける。
冒険者カードと言ってもステータスが書いてあるわけではない。名前、ランク、職業レベルが書いてある。職業レベルは5になると上位職に転職可能だったりもする。
「因みにですが、冒険者はFからAのランクに別れてるらしいです。Aランクを超えたものを勇者と呼び、国外での魔獣や魔族を討伐されることが許されているそうです。」
「ほう。とういうことはこの前戦った勇者もかなり強いほうだったのか。冒険者とは大したことないな。」
窓口にてアリストは受付に問う。
「勇者…いや。冒険者になりたいのだが…」
「ではこちらにお名前と希望職業を基本職から選びください。」
用紙に自分の名前書き、職業は戦士。
戦士アリストの誕生である。
名前:アリスト
職業:戦士 Lv1
冒険者ランク F
レベル 1
「ほう?Fランクか。」
ここから勇者アリストの復活劇がはじまる…。
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