第23話. 新米戦士と新米僧侶1
「アリスト様、これは僕の一族に伝わる隠蔽魔法です。」コウタローはウソをつく。神からもらったチート能力をあたかも魔法と言い張り、アリストを騙していた。
「コウタロー。お前の顔はほんとに人間のように見えるな。キノコの傘が髪に見えるぞ。…私も尻尾もツノも羽もない姿なんぞ久しぶりだ。」
正しくいえば普段、コウタローの髪がキノコの傘に見えるのだ。
そう話してながら宿屋に向かう2人は側から見るとどこからどう見ても戦士アリストと僧侶コウタローだった。
「おぉ。これはこれは戦士様。夜分までご苦労様です。先ほどドラゴンが現れたと兵士達が騒いでおりましたがもう大丈夫ですか?」
宿屋の亭主は尋ねた。
「うむ。安心しろ。もう大丈夫だ。ドラゴンは何もせず遠くの山へ去っていったぞ。な!コウタロー!」
「そうですね。アリスト様」
アリストの気持ちは完璧に勇者に戻っていた。
とりあえず2人は10日ほど部屋を取った。
部屋は2人部屋、ベットが2つと、小さな机が1つの簡素な物だった。
「ふっふっっふ。ふっはっはっはー。ついに来たぞ王都グラン明日から10日も遊び倒せるとは、なんて気分がいいんだ。明日は中央噴水を見に行って、宮殿を外から見学、その後に屋台街に行って食べ歩き、それから確か近くにグラン山って言う山があったな。高い場所から見る景色はさぞ良いだろう。実に楽しみだ‼︎」
ドラゴンの背に乗って上空から来たどこかの国の幹部様ははしゃいでいた。因みに今は夜中である。
「とりあえず、寝てください。明日は僕の計画で動いてもらいます。完璧なプランを用意させてもらってます。アリスト様。」
コウタローは深くは語らない。
「うみゅ!素晴らしい。さすが私の付人だ。コウタローも計画を立てるなんてはしゃぎ過ぎだぞ。明日はどこかで名物のグランドルブレッドを食べたいな。この国のバターと小麦をふんだんに使って砂糖を塗して食べると美味だとシャルロッテの奴が前言ってたんだ。奴も本場では…」
彼女は夜通し話し続けた。
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