第11話. 契約とルール2
「違反するとどうなるんですか?」
口を開いたのはコウタローだった。
一瞬の静寂とあと鬼頭はスラスラと答え出した。
「なんだ皆知らないのか。数日間の能力の制限されるのではなかったかな。」
「厳密には、魔王に攻撃を禁ずる。これに反したもの3日間の能力停止及び、弱体化。と記されておりましたぞ。」
ダは詳細を付け加える。
「じゃあ幹部同士の戦いは契約違反ではないですね。」
いらないことをすぐに言うコウタロー。
「確かに!」
とりあえず頷く、アリスト。
「いえ。我々幹部は魔王様の命。我々を攻撃するということは魔王様の命を取るも同じという訳でございます。」ダは自分の解釈を誇らしく述べる。
「いや。そこは早計だな。命を取らなければ魔王様に攻撃したことにはならないのではないか?」
鬼頭は自身の解釈と多少の違いがあったため指摘をした。
「確かに!」
とりあえず頷くアリスト。
全くわかっていないシャルロッテ、議題に興味がないセツナ。
「検証してみてもいいかもしれないな。例えば、私の能力に強化されたダ君の奴隷兵が幹部を殺した時に罰則はどちらに適応されるのかなど」
鬼頭は不敵な笑みを見せた。
「ダッハッハ。それは名案ですな。」
「鬼頭よ。お前も仲間を殺す非道な奴なのか。私を敵にしたくないのならそう言う発言はしないでもらおう。」アリストは鬼頭を睨みつける。
「同士討ちはまずいと思いますよ。まっ。みんな仲良くしましょーや。俺は失礼します。もう眠くて。」
ダルそうに口を開き、席を離れ始めたのはセツナ。
「あら。私も報告会はもう終わったようですし、自室でお菓子をいただく時間ですわ。」
付人と共に自室に戻るはシャルロッテ。
「セツナ君に逃げられましたね。せっかく面白い検証実験を次の題材にあげようと思ったのに。」
鬼頭は自身の検証をやる機会がなくなり、気を落としているように見えた。
「鬼頭様、私奴に少しお話しをさせて頂きたく…」
鬼頭を追いかけてダは去ってしまった。
深刻そうな顔をして2人っきりの部屋でアリストは口を開いた。
「契約とはこの世界でも実に厄介だ。なければダなど即座に殺して、この国の奴隷たちを解放してやるのだが…。」
“この世界でも”と言い方にコウタローは引っかかっていた。
「前の世界でもが契約あったんですか?」
「あぁ。私よ前いた世界では制約と読んでいたが似たようなものだろう。条件を設定することで力を倍増させることができるがデメリットも大きい技だ。私は使っていなかったが、仲間の中には使っていたものもいたよ。」
「契約ではなく制約ですか。微妙に違う気もしますが…」
「確かにな。私のいた世界の理では異世界の者を召喚などできないはずだ。」
不満そうに物思いにふけているアリストはダへの制裁を考えていた。
「契約の中に奴隷使用不可と明記されていればダ様も奴隷解放せざるえないんですがね。」
コウタローは何気なくぼやいてみせた。
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