第6話. 魔王幹部と円卓会議3
「おい貴様ら!待て席を離れるな!今回の勇者のレベルではコウタローのレベルでは太刀打ちできないんだ。」
怒鳴り散らすアリストの声も聞かず、幹部どもはそそくさと円卓会議場を後にする。
「さっきキノコ君が君の意見なら聞くと言っていたぞ。そして部下の尻拭いは上司の責任だ。君がついてやって勇者を倒せば良いだけだろ。」
去り際に鬼頭はそう言ってアリストに全てを丸投げだ。
皆がさった後、アリストとコウタローは円卓会議場に残された。
「すまない。コウタロー。私が不甲斐ないばかりに嫌な役回りをさせてしまって。」
アリストはかなり落ち込んでいた。
「僕はアリスト様に力をみせる機会ができて光栄です。このピンチをチャンスにしてアリスト様の株を上げて見せますよ。」
コウタローは正直同じ勇者だし、話し合いで解決できると思っていた。
「いや。コウタローは今日は付き人になったばかり、こんな大役は荷が重すぎる。」
確かに新入社員に大手メーカーに契約とってこいと言っている様な者だ。難しいかもしれない。
「私も一緒に行こう。私も元勇者。相手が勇者なら話し合いで解決できるかもしれないしな。」
アリストはやはり自分の心を読んでいるんじゃないかとコウタローはビクついていた。
アリストは幹部達に伝える予定だった勇者の情報をコウタローに伝えた。
勇者名前:セダール
武器:魔剣 サンダロイド
推定レベル:150
使用魔法:雷魔法 水系魔法
特質する能力:雷
パーティ:魔法使い、武道家、僧侶
現在地
アリストの部屋へ帰り道、アリストはひたすらコウタローに誤った。
「私のことを嫌わないでくれ。コウタロー。」
「絶対に危険な目にはあわさないぞ。コウタロー。」
「でも最初は少しだけ頑張ろうな。このレベルの勇者と戦う機会なんて珍しいからな。コウタロー。」
「私はお前のこと信頼しているぞ。コウタロー。」
コウタローはアリストのことをめんどくさいと感じ始めていた。
「私はダメな上司かもしれない。お前も私のことをめんどくさい、使えない上司だって思ってるだろう。」
「はい。ちょっとは思ってます。」
アリストは泣き出した。
「ごめんな。勇者なんてすぐぶっ殺すから。お前の手を煩わせないから。私が使えるところ見せてやるから。」
アリストは人と戦いたくはないと言っても部下のためなら身を切る覚悟できているのだ。
別に殺すまでは言ってないと言いたいコウタローだった。
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