第4話. 魔王幹部と円卓会議1
大きな円卓会議場に魔王幹部が4名。
部屋を壁にあるいくつかの松明で灯りをともし、会議を行っていた。
アリストは幹部会議の議長になりがちだ。
だからと言って一番偉いわけではない。
「時間だ。始めるぞ。」
不服そうに低い声でアリストは口を開いた。
本日の出席者は魔王幹部7名中4名、更に付人が3名。
「まだ半分も揃っていませんね。」
嫌味ったらしくそう言い出したのは魔王軍幹部、嫉妬担当の鬼頭。
名前 鬼頭 ハジメ
種族 キメラ
性別 男
能力 生物改造…魔獣、魔人、人間、生物ならどんな生物でも改造できる。
高い鼻に丸メガネをし、白衣らしい服に包む彼は時間通りに来ないもの達、それを指摘しないアリストを見下す。
「いや。鬼頭さん全員とか無理でしょ。フォードなんて一度も出て来たことないし。」
気怠そうに話すのは黒の軍服を腕まくりしている怠惰担当のセツナ。
名前 赤塚 セツナ
種族 鬼人
性別 男
能力 オールダウナー…生物に使えば、能力値(攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、体力、素早さ、レベル等)が段々下がり、無機物に使えば耐力値、スピードなどが段々に下がる。
「何で出られない方がいらっしゃるのでしょうね?中々面白いですのに。」
会議をお茶会と勘違いしているのは見かけはどこかのプリンセス、暴食担当シャルロッテ。
名前 シャルロッテ マーシャル
種族 ゴーレム
性別 女
能力 領域生成……能力者を中心に100mの範囲に自分の領域を展開できる。領域内の壁や地面は好きなように動かすことが可能。
付人に紅茶とケーキを用意させ、優雅に会議を楽しむのが彼女のスタイル。ゴーレム種族であるが、見た目は只の人間。仕事は部下にさせ、自分は一切したことない。
「どこの勇者がうちの領土に入って来たのかね。私の強化魔獣達が倒されたとは…」
自分の配下が倒されたことに鬼頭はため息を漏らす。
「そろそろ幹部が出ないとまずいですかね。とは言っても俺たちが鬼頭さんの強化魔獣より強いかはわかんないけど…」
セツナは自分達の弱さを棚に上げて、戦闘を回避しようとする。
「最近私の配下者が勇者の肉を持ってまいりましたが、あまり美味しくはありませんでしたわ。私も戦いたくありませんし、今回はパスしますわー。」
自分の仕事ぶりをアピールしながら、グルメなシャルロッテも戦いたくはない事を皆に伝える。
「戦闘狂のフォード君が居ただろ。彼に頼めば大抵の勇者は殺せるだろうし、彼も死ぬのことはまずないはずだ。」
「フォードはダメですよ、鬼頭さん。人から頼まれてやることが一番嫌いらしいんで、自分からやらせる様に仕向けないと動かないですよ。」
「それでしたら色欲の…ニーナ様はどうですか?幹部の中でもお強い方なのでしょう?」
「彼女は強いかもしれないが…この数週間付人が探し回っていたよ。行方不明らしい。」
「え!?マジっすか。既に倒されたとかないですよね?やっだなー…となると幹部で強いと言えば元勇者のアリストちゃんかー」
セツナはアリストの方をじっと見た。
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