俺に彼女は出来ない
パ・ラー・アブラハティ
雨が降ってきました
梅雨入りして雨が降っている。葉っぱに水が滴って、蛙は生き生きとしている。湿った部屋で文明の利器であるスマホとにらめっこして、好きなあの子にメッセージを送ろうかと、ここ数時間迷っていた。
カナダの美術品を集めた展覧会がやると、この前街を歩いている時にたまたま見かけ、それに好きな子を誘うかとずっと迷っていた。あの子は美術品や剣などを見るのが好きと言っていた。だから、一か八かで来てくれないかと思い誘おうと一大決心をしたのだが、あと一歩前に踏む出せないでいた。
単純明快な答えしかないなのに、俺はシャーロック・ホームズ並に思考を巡らせて誘い文句を考えていた。なんとも情けない話だ。
走ってもないくせに緊張で息が切れ始めて、動悸がする。クラクラする頭は決して低気圧のせいではないだろう。震える手でスマホを持ち、好きなあの子へメッセージを送る。
『今度の日曜日、一緒に美術館行かない?』
送ってしまった、ベットでじたばたして返事を待つ。ピコンとなり、好きな子からの返事が来る。
『セクハラやめてください!!』
こうして、俺の恋愛は終わった。
俺に彼女は出来ない パ・ラー・アブラハティ @ra-yu482
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