第3話 記憶【海】

 成瀬川が去ったあとの家で一人出会った時のことを思い出す男がいた。まぁ、俺のことだな。

 俺が成瀬川なるせがわ 玲羅れいらと初めて会ったのは高校の入学式であった。会ったと言っても少し顔を合わせて「こんにちは」と挨拶をしただけだ。

 そして入学式も終わり高校での生活が慣れてきた6月の、マク◯ナ◯ドのバイト終わりに家に帰っていた俺の目の前に成瀬川が現れた。それが二度目の出会いの

 余談だが、高校が実家から遠い所なので一人暮らしをしている俺は、一応親に仕送りはしてもらってはいるがなんとなく俺の気が済まないのでバイトをして仕送りの半分ぐらいは手をつけずバイトで賄っている。

 此処から先は俺の記憶による回想でみんなに話そうと思う。


 ◆


 俺は家に帰っていた。そしてバイト先のマ◯クからの帰り道に公園があるのだがそこに成瀬川は一人でいたのだ。

 夜も遅いのになぜこのような場所にいるんだろうと思っていると成瀬川がこっちを見た。


「……(じー)」


 な、なんだぁ?


「……(じー)」


 これは俺に何かをしてほしいのか? とりあえずこんなところにいる理由も聞きたいし話しかけてみるか。


「あの、成瀬川さんですよね?」


「……はい、成瀬川です」


きれいな声ですねぇ(棒)


「なんでこんな遅くまで……しかもあたりに誰もいない公園にいるのですか?」


やべぇ、こんなきれいな人とあまり話したことないから緊張で日本語おかしくなりそう。


「……ちょっと野暮用があって出かけていただけです」


 うん? 野暮用? てことは聞かれたくない用事で出かけていたってことなのか?


「その野暮用は終わったのですか?」


 俺ぇぇぇ?! 何聞いてんだよ?! そんな事聞いてどうするんだよ?!


「終わりました……」


 ああ、優しい人で良かった。……ん? 待てよ? 用事が終わったのになぜここにいるんだ? 聞いてみるか……


「用事が終わっているんですよね」


「はい」


「それなのになぜここにいるんですか?」


「………………笑わない……?」


 溜めるなぁ……それよりも、笑わないって聞くって事はそんなに人に話すのが嫌な事なのか……ただなぁ、こっちをさっきからチラチラと見てくるんだよなぁ。はぁ、聞けってことか。


「笑いませんよ」


「絶対に?」


「はい、絶対です」


「わかったわ。あなたを信じます。……私がここにこんな時間までいるのは……み…に…った…からで…」


 ――? 何も聞こえなかったぞ?


「すまない、聞こえなかったからもう一度頼む」


「だから…み……まよ…たからです」


 やっぱり聞こえないぞ?


「本当に済まないのだが、今のも聞こえなかったのでもう一度頼む」


「…………っ! 道に迷ったの! だから家に帰れないのよ!」


 その時の俺のアホな感想は「頭のいい人でも道に迷うこともあるんだな」だった。


「スマホは?」


「バッテリーが切れました……」


「……はぁ」


「っ……」


 おっと、ため息が出てしまった。

 さてと、どうしようかなこの人。もう遅い時間だし家に招くか。


「成瀬川さん、うちに来てください」


「……はい」


 頭のいい彼女のことだ何かを思いついたのだろう。でなければ男の家に上がるようなことはしないはずだ。……一応考えを聞いておくか。


「男の家に行くのが怖くないのか?」


「……あなたは見るからにバイト帰りの高校生の顔をしているわ。だから家に上がっても襲う気力なんてはなから存在しない」


「えっ……そんなに顔に出てる?」


「ええ、すごく出ています」


 まぁ、いいか。とりあえず彼女を連れて家に帰ろうかぁ。俺は一人での寂しい帰り道ではなく散歩のような帰り道になった帰路を彼女と歩いていった。


 ◆


 で、回想は一旦終わりだな。

 このあと色々あって成瀬川が家によく来るようになった。そしてその事が俺の数少ない友人にバレたり。成瀬川家に行ったりと本当に色々あった。

 そしてその色々のあとに来たのが先程の告白だ。本当に俺にそんなつもりはなかったんだがな。

 明日から学校で成瀬川と顔を合わせずらくなったなぁ。ま、それも仕方がないか。これも運命だ。もう二度と成瀬川と今まで通り過ごせることはないだろうな。

 そう言いながら俺は手がつかないであろう勉強をするために部屋に籠もるのであった。












――――――――――――――――――――――――


ガンダムSEEDの映画がすごく楽しみです!


☆はいらんけどレビューは干しい(矛盾) 面白かったら♡を押してもらえたら作者が狂喜乱舞します。(文章がおかしい)

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