第8話 ある障がい年金の暮らし(実家)の話

夜の九時半過ぎ、家の中がまた、街が静かな眠りに向かってゆく。

僕も弟も睡眠薬を飲んで布団に入る。

兄弟そろって発達障害であり、統合失調症でもある。

お互いに夜十時ごろ寝て、次の日は七時頃までの

九時間は寝ないと調子が悪い。

弟は毎日午前中にB型作業所に通っている。

兄の僕はといえばA型作業所に五年間通ったが

体調が悪化し、自宅療養中だ。

毎朝8時過ぎ…。

弟「行ってきます。」

母、僕「いってらっしゃい。」

土日以外、この繰り返しである。

土日とは言うと、僕、弟はともに体調が良くないので

家を中心に活動している。

いつも何の話をしているかというと

弟「何か面白いゲームないかな?」

年のせいかゲームが楽しめない。

僕「いったいどうしたらいいか?」

そんなこと自分しかわからない。

毎週この言葉が飛び交う。


雨が降ってきた。

今週末の土日は雨のようだ。

したがって、朝晩の散歩が出来ない。

二人とも傘を差してまで歩こうとは思わない。

母「昼ご飯は何にする?」

母「お寿司でいい?」

僕、弟「いいと思う。」

三人ともすぐに意見がまとまる。

定年退職した父はもう何年も話をしていない。

僕らの家庭でも一般の家庭でも

この部分は変わらない。

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