主人公は最年少で名誉ある賞を受賞し、女子高校生作家として文学界でもて囃される存在になった。しかし、その受賞歴は、簡単に塗り替えられてしまう。選考委員であった作家にも酷評され、主人公は文壇から逃れるしかなかった。
そんな中、美貌の少年作家としてデヴューした少年に、盗作疑惑が持ち上がる。選考委員に絶賛され、主人公にも感動を与えたその作品は、元々一次落ちの作品だった。その作品が、最年少作家の名のもとに、世間から脚光を浴びたのだ。
そして、その最年少作家は記者会見を開く。一体何が語られるのか?
歴史も名誉もある賞に輝いた作品とその作家。
この物語で語られる盗作という罪は、社会の罪だ。
何故なら、「最年少」という言葉を売りにする賞を、社会は受け入れ、享受しながらその書籍を求め、評価してきたからだ。しかも、それが元々一次落ちの作品であっても、である。下読みで評価に携わり、好評した作家たちも、これに加担している。そして、ゴーストライターの存在や生成系AIの存在が、この問題をさらに肥大させ、恐れと混乱を招く。
センセーショナルな文壇の問題点を鋭く照射した一作です。
是非、御一読下さい。