レン、パーティに加入する
「
「「「かんぱーい!」」」
《かんぱーい!》
《かんぱい!》
《かーんぱーい》
《ばんかーい!》
《かんぱーーい!》
モンスターハザード事件後、レンはパーティに加入したいと言ってきた。
その実力を実践で体験していた俺には、断る理由もなく、面接も必要ないと判断し、みんなからもOKが出た。
「よ、よろしくお願い、するね?」
レンは少し緊張しているようだ。
──『
「やったあ! レンさんもパーティに加入してくれましたー! えへへ!」
うららはレンに抱きつきながら、頬ずりしている。仲がよくて何よりだ。
───『
「うん、うららも喜んでくれて嬉しい、かな」
レンは
「まぁ、このパーティに入りたいと思うのはトーゼンよねぇ。何せこの天才大魔導士リッカ様がいるパーティだもの! 大船に乗ったつもりでいなさいよね!」
リッカはムフーと鼻息を鳴らす。
────
「うん、リッカはカッコよくて可愛い。私も好き、かな」
「ふええぇ!? そ、そうかしら……。あ、ありがとう……」
リッカは顔を真っ赤にしてうつむいた。よかった。リッカとの相性もいいみたいだ。
「これでパーティは四人になったね、。タイプ的には物理アタッカー、魔法アタッカー、ヒーラー、バッファーでバランスもかなりいいと思うよ」
────『おじさん』 チャンネル
《みんなチャンネル登録者数増えたなぁ!》
《この前の事件、おじさんニュースに出てたよ!》
《ドレインスライムから街を救ったヒーローだってな!》
《国からおじさん達に
《マジ!? みんなすげーww》
《おじさん、カッコよかったよー!》
「みんなもいつも応援してくれて、ありがとう! ここまで来れたのもみんなのおかげだよ!」
《固いこと言うなってw俺たちの仲だろ!》
《いやぁ、照れるなぁw》
《ありがとう!》
《thank you!》
《Grazie!》
《謝謝茄子!》
《ขอบคุณ ครับ!》
「思えばあっという間でしたね、おじさん」
隣にいるうららがそう言った。
「チャンネル登録者1人の時が懐かしいなぁ。うららちゃん──いや“チョコプリンちゃん”のおかげだよ」
うららのハンドルネームは“チョコプリン”だった。
「わわっ、これまた懐かしい名前を……。えへへ、覚えていてくれたん、ですね……」
「忘れる訳ないさ。俺の最古参のファンだからね!」
「へー、うららってオジの最初の登録者だったんだぁ」
「意外、だね」
「えへへ、そうなんです。だから、これからもずっとお側で応援させてくださいね!」
彼女の瞳はまるで星のようにキラキラしている。
「ははっ……少し照れるな」
俺はポリポリと後頭部をかく。
「(さすがアイドル……。あざといわね……)」
「(うん、さすがうらら、かも)」
♢
「ごくっ、ごくっ、ごくっ、プハー! やっぱ仕事終わりのビールは止められないな!」
俺はキンキンに冷えたビールを一気に
うららとリッカがまたジッーとこちらを見ている。
「ノンアルコールもあるけどダメだよ。この前それで俺、大変な目にあったからね?」
「オジ様、大変な目って?」
レンが
「ノンアルコールビールなのに2人共、酔っ払っちゃって……」
「ふふっ、そんな事があったん、だね」
「あ、あれは忘れて下さい……」
「ほえ? そんなことあったかしらね?」
覚えてすらないんかい。
「じゃあ、私もビールいただこう、かな?」
「あれ? ああ、そういえばレンちゃんはハタチだったね」
「そういえばそうでしたね」
「え!? ず、ずるいわね!」
「じゃあ、新しいビール取ってくるよ」
そうして俺はビールを取りに行こうとしたが──
「ううん、オジ様。それ、ちょーだい」
レンは俺の飲みかけのビールを指差す。
「え? 俺の飲みかけだよ? 新しいのあるに……」
「ううん、それでいい、かな」
「それじゃ、どーぞ」
俺からビールの缶を受け取ると、レンはそれをグイッと飲み干した。
「初めてお酒のんだけど、苦い、かも……」
「え? 初めて? ならちょっとだけの方がよかったんじゃ……」
レンの顔はみるみる赤くなっていく。
「あっー! ずるいです!」
「そうよー! そうよー! いいもんねー! 子供ビール飲んじゃうからいいもんねー!」
「だ、大丈夫? レンちゃん?」
俺は心配になって声をかけるが──
「うーん……熱い、かも……」
ポゥーとした顔でレンは服のボタンを外し始めた。
「うわああああああああ! 配信中だよ、レンちゃん! うららちゃん、リッカちゃん、止めてあげて!」
俺は必死に目を
「は、はい!」
「レン、なにやってんのよアンタぁ!」
《おい、おじさん! 止めんじゃねぇw》
《おじさん、俺たち仲間だろ?》
《オジ君……見損なったぞ》
《おじさんが代わり脱げ》
《私、おじさんのが見たいなぁ……》
「みんな今日はありがとう! ではまた!」
俺は急いで配信をストップさせる。
《あっー!まてこら》
《おじさん待っ──》
「ふぅ、これで大丈夫か」
やれやれ……レンもお酒にそう強い方ではなさそうだ。
♢
「レンったらすっかり酔い潰れちゃって……。やれやれ、こうはなりたくないものね」
リッカはふぅーとため息を吐く。
おい、どの口が言ってるんだ。どの口が。
「レンちゃん、大丈夫かな?」
俺は心配になって顔をのぞくと、レンはいきなり俺に抱きついてきた。
「うーん……おじ様ァ、チュウしたい、かも。チュッ。えへへ」
「!?」
レンは俺のほっぺにキスをした。
「ああああああああああ! 何やってんですかぁレンさああああああん!」
「ぎゃああああああああああ! レン、何やってんのよおおおおおおおおおお!」
よ、酔いって怖いね。
お酒はほどほどにしようと、俺は固く
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