おじさん、S級モンスター“スライム”と対決するす
「ドレインスライムの体内は水分で出来ていてる。そして水は“音”を通しやすい」
「──なるほど。つまり私のユニークスキルを利用すれば……」
「そういうこと。だから俺に向かって、音の攻撃をしてくれないか? 俺のユニークスキルでそれを俺の能力で剣に変える!」
「分かった!」
彼女はギターをかき鳴らす。
『────『ソニックスラッシュ』!」
音の斬撃が俺に向かう。そして俺はクリエイト能力を発動させ、剣を精製する。
「名付けて“ソニックブレード”ってところか」
剣の
「行ってくるよ、レンちゃん!」
「うん、行ってらっしゃいオジ様。その前に──」
彼女は再びギターをかき鳴らす。
『──『
その音楽を聴いた途端に、身体が羽の様に軽くなる。
「これは?」
「素早さが上がる効果があるんだ。少しでもサポートになればいい、けど」
「ありがとう。さぁ、スライム退治と行こうか!」
俺は頬を叩き、気合を入れる。
♢
「身体が軽いな!」
俺はビルの側面を駆け上がる。
《おい、あれオジサンじゃね?》
《おじさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!》
《おじさん、ビルの壁を走りながら登ってるww》
《人間辞めてるな、おじさんw》
俺はビルの屋上に登ると、ジャンプをして、次々と高層ビルを飛び移る。
《そんな軽々と……》
《マ⚪︎オじゃあるまいし……》
《あの足、どうなってんだw》
狙うは一番高い高層ビル。
ドレインスライムの真上から攻撃することにより、全体に攻撃を行き渡らせる。
『プルプルプルプルプルルル……』
ドレインスライムは俺に気がついたのか、大量の
この粘液をくらってしまったら、建物は一瞬で
「──クリエイト発動」
俺はクリエイトを発動し、大量の粘液を無害なものに変化させ、被害を防ぐ。
《うおおおおお、おじさんのスーパークリエイトだぁ!》
《あの能力、反則すぎるだろw》
《攻防共に使えるチート能力だよな》
《でも俺もクリエイトに似たユニークスキル使えるけど、あんなの無理だってww》
《おじさんの練度が違い過ぎる……》
ついにドレインスライム付近で、一番高い高層ビルに到着した。
俺はそこから大ジャンプして、ドレインスライムの真上を取る。
その瞬間、ギターの音が再び聴こえてきた。
「────『パワーチューン』! 攻撃力を上げる効果の音楽、だよ!」
レンの能力だ。身体に力がみなぎってくる。
『プルルルルルルルル!』
ドレインスライムは今まで吸収してきた、攻撃や魔法を衝撃波として吐き出してきた。
「それごと叩き切ってやる!」
《おじさん、行けええええええええええ!》
《この街を救ってくれ……》
《やっちまええええええ!》
《行きなさいおじさん! 誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!》
『────おおおおおおおおおおおお! 『ソニックブレイズ』!」
『プルルルルルルルル!?』
俺の剣から放たれた“音の波衝撃”は、ドレインスライムの真上から真下に貫通する。
『プルルルルルルルルアアアアアアアア!』
音の衝撃波を吸収することもできず、ドレインスライムはパァンという派手な音を立て、盛大に弾けて消え失せた。
《やったぜ!》
《あの巨大なデカブツを倒したあああああ!》
《さすおじ》
《おじさん、信じたああああああああ!》
《オジサン、つえええええええええ!》
《これで安心してFPSやれるわ……》
《やったか!?》
♢
「勝ったん、だね……」
レンがはぁはぁと息を切らせながら、走ってきた。
「ああ、レンちゃんのおかげだよ」
「私はサポートしただけ。やったのはオジ様、だよ」
「そんなことはないさ。──と、リッカちゃんとうららちゃんも帰ってきた!」
「やったわね、オジぃ…… 」
「お見事でした、おじさん。さすがです……。うららもたくさんのケガ人治すことができました……」
2人とも
2人には2人の
「みんな、なんとか無事そうだな……。本当によかった……」
「なにシケた顔してんの、オジィ。なにはともあれこの勝負、私たちの完全勝利よ!」
「「「「おー!」」」」
みんなでハイタッチをして、喜びを分かち合う。
この街を、みんなを守れて本当によかったた。
「オジ様。ちょっと話がある、かも」
「ん? なんだいレンちゃん?」
「あのね、私──」
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