おじんさん、2人の美少女に囲まれる

「じゃあリッカちゃんが新しくパーティーに入ったということで、記念のオフコラボ始めるか!」


 俺はビール片手にそう言った。


「かんぱーいです!」


「か、かんぱいよ!」


《いやーこのパーティーも形になってきな》

《おじさん、両手に花じゃんw》

《おじさんが一番かわいい》

《↑濃いファンがいるな……》


「リッカちゃんの加入で、さらに俺たちのパーティーが話題になってたよ。みんなのチャンネル登録者数もまた増えたね」


──『おじさん』 チャンネル登録者数630万人


「リッカさん、上級魔法バンバン使えて本当に頼りになります!」


 ──『姫乃ひめのうらら』 チャンネル登録者数 《402万人》


「ふふーん! どんなもんよ!」


──如月きさらぎリッカ チャンネル登録者数702万人


 リッカはない胸を張ってドヤ顔をしている。


「700万人突破おめでとう、リッカちゃん」


「700万人はすごいですよ、リッカさん!」


「まぁ、私にかかればね! ……でもみんなのおかげもあるっていうか、ありがとうっていうか……」


 リッカは顔を赤くして、指をつんつんしている。


 その様子を見て、俺とうららは顔を見合わせクスクスと笑う。


「な、なによぉ!」


「なに、ほほえましいなってね」


「照れてるリッカさん、かわいいです!」


「は、早く宅配ピザ食べるわよ! 冷めちゃうわよ!」


 リッカは目の前のピザを皿にとり、かぶりつく。


「どちゃくそうまいじゃない! うめ、うめ、うめ……」


「じゃあ、俺たちも食べようかリッカちゃん?」


「はい、そうですね」


《飯テロ》

《俺も宅配するかな……》

《リッカちゃん、そんなに食ったら太るぞw》




「ごくっごくっごくっ! プハー! キンキンに冷えてるな!」


 俺はビールを一気に飲む。ダンジョン帰りのビールだけはやめられない。


「じっー……」


「じっー……です」


 2人が俺のビールを見つめていた。


「ダメダメ。お酒はハタチになってからだぞ?」


「分かってるわよ。アンタがそんにうまそうに飲むから気になっただけよ!」


「実際、ビールっておいしいんですかね?」


 うららが小首をかしげる。


「さぁ? 苦いってのはよく聞くわね」


「そんなに気になるなら、ノンアルコールビールあるけど飲んでみる? 雰囲気だけはつかめると思うよ?」


 俺は冷蔵庫にノンアルコールビールが残っていたことを思い出す。


 ダンジョンに行く前に、たまに飲んだりするのだ。


「でかしたわよ! オジィ!」


「お願いします! おじさん!」


 2人は目をキラキラと輝かせている。2人とも好奇心おうせいだな。これが若さか……。





「ごくっ、ごくっ、ごくっ、プハー! なによ、結構イケるじゃない!」


「に、苦いですぅ……」


 2人の反応は対称的だ。リッカは将来、酒飲みになりそうだな……。


「ふへぇ、でもなんか気持ちよくなってきたわねぇ……」


「なんだか頭がフワーとしますぅ……」


 2人とも顔が真っ赤になっている。


「え!?」


 俺は慌ててビールを確認する。うん、ちゃんとノンアルコールだ。0.00%の。


「確かにノンアルなんだけど……。あっ、まさか空酔からよいってヤツか?」


空酔からよいとはノンアルコール飲料をアルコールと脳が錯覚してしまって、酔った気分になる現象を指す。


「ふにゃあ、おじさーん……えへへ」


 うららは俺が座っているソファの横に来て、俺の右腕に自分の腕を絡ませる。


「ら、らによぉ、アタシも負けないわよぉ。ヒック」


 負けじとリッカもこちらに来て、俺の左腕を両手でつかむ。


「おいおい……」


《おい、おじさんそこ変われ》

《裏山死刑》

《こりゃおもしれぇw》


「おじさーん、うららの頭なでなでしてくらさーい!」


 うららが俺の右腕を引っ張る。


「らによぉ、うららばっかり。アタシも構いなさいよぉ……ヒック」


 リッカは俺の左腕を引っ張る。


「あっあだだだだだ! おじさん、四十肩なんだって! や、やめてぎゃあああああああ」


《四十肩……》

《おじさんww》

《おじさんってやっぱ辛ぇわ……》



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【大事なお知らせ】


《如月リッカ編》まで読んで下さり、本当にありがとうございました! 


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