第7話 使命と高校生

僕らはリクの時空空間バリアの中に再び入った。「邪魔はいないよ。ゆっくり話そう。ショウも目黒さんもお互い、僕らの故郷の第8惑星について話すのは、はじめてだよね。」僕は「そうだな。あの時以来だ。目黒さんとも初めて話す。」目黒さんはまだ片手にアイスコーヒーを持ったまま、「ねえ、ショウ、花火の日、覚えてる?『今は、だめ。』って言ったこと。」僕は「UFO、もちろん覚えているよ。あの日、僕はリクと帰還する予定だった。そしてあの日、初めて自分が第8惑星人だと認識したんだ。忘れるわけがない。それにあの時、目黒さんが僕と同じ第8惑星人だと確信したんだ。だからあれ以来、あえて僕は君を避けてきた。」目黒さんが「そうね。その通り。ショウが私を避けているのは知っていたわ。でも改めていうこともなく。時を待ったわ。それが今日、この時よ。」リクが「そうだ、君たちよくこんな未開発の地球で生きていられたね。精神的にも肉体的にも知性も能力も科学力、何一つとっても未開発の発展途上の星だ。彼らはこんなちっぽけな星さえすべて把握できていない。小競り合いはあるし、無駄が多い。感情が先で透視能力も何もない。天候も制御でいない。本当につまらない野蛮な星だ。」目黒さんがアイスコーヒーを「ズルズルズル―」音を立てて飲み干す。『わざとか?』僕は思った。「違うわよ。」目黒さんが僕の脳内に入ってくる。僕はそれが煩わしく「目黒さん、脳内に入るのは今はやめてくれないか。気が散る。」目黒さんは「そうね。それは悪かったわ。同じ第8惑星人だから口に出さなくても脳内テレパシー会話がいいかなって思ってただけ。」リクが「まあ、どちらでもいいじゃないか。人間的に口を使って話すのもいいし、第8惑星人としてテレパシー会話でもどちらでも。」僕は「そうだな。まあ、そんなことはどうでもいいが、リク、なんで今、地球に戻ってきたんだ?」「ショウのバグの具合を見に来たのさ。」「そんな嘘は、いいから本題を言ってくれ。」目黒さんも「私も本題を聞きたいわ。」リクが「第8惑星からの命令だ。地球を完全我々のものにする。第8惑星人は地球へ完全移住する。」目黒さんが「決まったんだ。」僕は話についていけなかった。「リク、わるい、分かるように説明してくれ。」「わかった。以前小2の時にビクと出会ったときに少し話していたことを覚えている?」「あー、ランダムに第8惑星人を地球に送って生活できるか見ているとか?」「そうだ。結果この地球は野蛮な未開発星だか将来有効活用できるめどがたち、完全移住を遂行するこになった。ビクも、地球には到着している。」「リク、地球人はどうなるの?」「さあ?ビクしだいさ。彼が権限を握っている。」「殺すこともあるの?さあ、それはわからない。それに殺すとかそんな野蛮な言葉はショウ使わないでくれるか。まるで地球人のようだ。せめて転生させるとか。別次元に地球人全員を移動させるとかね。」僕はケイとユウタの顔が浮かんだ。「リク、共存はできないの?」「共存?無理だ。」「科学力と、個々人の能力が僕らと地球人とでは違いすぎる。学校へ行くにしても第8惑星は空を飛んだり空間移動の魔法で1分もかからずできるのに、地球人は歩きや自転車、電車と時間がかかりすぎる、同じステージに立っていない。能力が違いすぎる。逆に一緒にいることの方が地球人にとってかわいそうなことだと思うよ。」目黒さんが「そうよね。違いすぎる。」『そんな勝手だ。』僕は脳内で思った。脳内侵入されないように脳内にバイリアを張った。リクが「ショウ、バリア張れるんだ。少しずつ能力が戻ってきているんじゃないか。」「バリアなんてどうでもいいよ。地球人がケイやユウタがかわいそうじゃないか。」「そうだな。友達だもんな。でも残念だが無理だ。移住者を乗せは母船は明日には地球上空に着く予定だ。それにもし僕ら第8惑星人がこの地球を奪わなくても他の星の異世界人たちが奪うことになる。そのくらいこの地球には他国、他の星人がたくさんはい入り込んでいる。」『分かっているが、僕はただ今は普通の地球の高校生をしたいだけなさ。』「リク、これは、命令なのか?」「違う、僕ら第8惑星人の“使命”だ。」

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