第6話「ヒーロー達の逆襲」

ティラノサウルス怪人に襲われるミューズの前に、王堂が連れて来たオビト、セイラ、美桜、大谷がやって来た。

「スカー!!これ以上お前の好きにはさせないぜ!!」

オビトは『クロスチェンジ』

クロスセイバーに変身しティラノサウルス怪人に飛び掛かる。

「ぐっ……」

そして王堂はミューズの元へ。

「ミューズさん大丈夫ですか?」

「ええ……彼らは?」

「別の世界から来たヒーローですよ」


クロスセイバーの攻撃を受け、ティラノサウルス怪人は追い詰められる。

「ぐっ……クロスセイバー……貴様……」

「スカー!お前と決着を付けてやるぜ!!」

「くっ……ふざけるな……」

ティラノサウルス怪人は撤退。

「あっ!待て!!」

「クロスセイバー!」

ティラノサウルス怪人を追撃しようとするクロスセイバーを大谷が止めた。

「え?」

「深追いはするな」

「何で?」

「奴が何の対策も無しに撤退するとは思えん……罠の可能性もある」

「はぁ……分かったよ」

ビートは変身を解除。

「ありがとうオビト君、お陰でミューズさんを助ける事が出来た」

王堂がオビトに礼を言う。

「いいって事よ!」

「あの……ミューズさん怪我してないですか?」

セイラがミューズに尋ねる。

「ええ、お陰様で大丈夫です」


しかし、その頃ビート達はトリケラトプス怪人とダークブライトの前に苦戦していた。

「クソッ……コイツら……ガチで強えぇ……」

「まずいぞ……このままじゃミューズさんが……」

「そろそろぶっ殺してやるか……」

トリケラトプス怪人がビート達にトドメを刺そうと迫る。

だが、そこにスカーから通信が。

「待てブラウ……」

「スカーの兄貴?」

「邪魔が入った……態勢を立て直すぞ。引け」

「え?しかし、コイツらあと一歩で……」

「状況が悪い……いいから引け」

「ヘッ……ヘイ……」

トリケラトプス怪人は変身を解除しブラウの姿に戻った。

「チッ……お前ら命拾いしたな。ダークブライト、行くぞ」

ダークブライトは頷いてブラウと共に去って行く。

「待て……来人殿……」

星影は声を掛けるがダークブライトは振り向く事無くブラウと共に姿を消した。

「何だ?どうしたんだ?一体……」

そこにビート達にも王堂から連絡が入り、全員奏での戦士団本部に戻る事になった。


「王堂さん!!」

茂が騒々しく入って来る。

「おう、戻ったか。悪いな、状況が変わった」

「一体何だったんですか?」

「ああ、まず紹介する……こちら……」

「あっ!小十郎!!」

「オビト殿!!」

お互いに再会出来たオビトと小十郎。

「良かった無事で……」

「オビト殿久しぶりでござるなぁ!!こんな所で何してるでござる?」

「あのな……お前を探してたんだよ!」

「あっ、そうでござったか……いや〜心配掛けて誠にかたじけない」

「あの〜紹介しても?」

「あっ、すんません……」

「こちらは別の世界から来たオビトさんに、大谷さん。それから美桜さんとセイラさんだ」

「あっ、どうも……別の世界?じゃあ小十郎と同じ様に?」

「いや、我々は独自の次元移動技術を持っている。それで小十郎君を探していたんだ」

「奴らの狙いはミューズさんの持つ不老不死の薬だって事が分かった」

「不老不死の薬!?」

「ええ……私達は長きに渡る戦いに備え、代々不老不死の薬を管理して来ました。それが敵の狙いだったのです」

「ちょっと待って下さい……つまりその……ミューズさんは不老不死って事ですか?」

「いえ、私はまだ飲んでませんから不老不死ではありません」

「そっか……ビックリした……」

「その……不老不死の薬については我々にも調べさせて貰えないだろうか?」

大谷が尋ねる。

「それは構いませんが……」

「所で小十郎、この世界で何してたんだ?」

「それが……ダークブライトと名乗る戦士に戦いを挑まれ……その最中にこの世界に飛ばされてしまったのでござる……しかし、戦ってる内に確信出来た。ダークブライトの正体は来人殿でござる」

「え?兄さんが!?」

「兄さん?」

彰が尋ねる。

「ダークブライトの正体である来人殿は……美桜殿の兄上でござる」

「そうだったのか……お兄さんの事心配してたんだな……すまない」

裕二はさっきダークブライトに必殺技を放とうとした事を後悔した。

「え?何で謝るんですか?」

「いや……ちょっと……」

「大丈夫、お兄さんの事は必ず助けましょう」

琴音が優しく諭す。

「よし、では今後の方針はこうだ。まずはダークブライトの正体が来人君なら奪還だ。それは小十郎君と美桜ちゃんに任せよう。ダークブライトを正気に戻すなら2人の力が必要不可欠だろう」

「じゃあ、俺達はあのスカーって奴とブラウって奴だな。ミューズさんを必ず守り奴らに不老不死の薬は絶対に渡さん」

「はい!!」

「あの……なら俺はダークブライトの方の後方支援に回ってもいいですか?」

裕二が提案。

「ん?何でだ?」

「俺は危うく間違った選択をする所でした。だからその罪滅ぼしをしたいんです」

「なら、私もサポートに回ります」

「そうか……分かった。なら裕二と琴音は小十郎さんと美桜ちゃんの後方支援だ」

「ちょっと待って下さい……今の話してたからすると……美桜ちゃんも戦えるって事ですか?」

「はい!私達橘流忍者は妖怪相手に最前線で戦ってまして……私もその継承者なんです」

「へぇ〜……って事は……ヒーローだらけジャないっすか!!」

「ああ、我々奏での戦士団が6人、そしてオビト君、小十郎さん、美桜ちゃんで全部で9人だな」

「でも、別次元のヒーローも合わせたらもっと居るんだぜ」

とオビトが言う。

「すげぇ……ヒーローってこんなに沢山居るんだな……」

「では、小十郎さん、美桜ちゃん、裕二、琴音はダークブライトを頼む。残りはスカーとブラウを何としても止め、ミューズさんと不老不死の薬を守るぞ!」

「了解!!」


その頃、スカー達も戦いに向け集結していた。

「遅くなったわね」

マゼンダが合流。

「チッ……マゼンダ!!テメェ、クロスセイバーの始末に失敗しただろ……お陰で作戦が台無しだ」

「はぁ?冗談言わないで。私は確実にクロスセイバーに毒を注入したし、任務は遂行したわ……クロスセイバーが回復したのは不可抗力よ」

「テメェには落とし前をつけて貰うぞ……」

スカーがマゼンダに銃口を向ける。

「あら……ここで私を消したらあなたの立場が危うくなるんじゃなくって?」

「……チッ……気に入らねぇ女だ……」

スカーが拳銃を下ろす。

「まぁまぁ、兄貴……今戦力を削るのはまずいですよ……」

「そうだな。ただてさえこの世界のヒーローを名乗る奴は多い……その厄介な相手を消す為にダークブライトに抹殺を頼んでたんだが……どういう事だ?この世界のヒーロー誰一人消せてねぇじゃねぇか」

「問題ない。次は必ず仕留める」

「チッ、どいつもコイツも……この世界にヒーロー共が集まって来てる。もしクロスセイバーがジャスティーフォースのメンバーを連れて来たら厄介だ。その前に潰すぞ」

「ヘイ」

スカー達も動き出す。

スカー達組織とヒーロー達の一大決戦が今、始まろうとしていた。

決戦のカギを握るのはやはりダークブライトの存在だ。

果たして星影達はダークブライトを……来人を取り戻せるのか?


続く……。

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