第2話「出会い」

次元を超えBLADEの大谷がオビトを訪ねてグランスタ王国にやって来た。

「やぁ、久しぶりだなオビト君」

「大谷さん!」

オビトが大谷に駆け寄る。

「どうしたんですか?」

「ああ、それが少々厄介な事になってな。君の力を借りたいんだ」

「って事は……また次元を超えた事件ですか?」

「ああ……実は星影……小十郎君が消息不明になってしまってな……しかもどうやらスカー達組織の連中が絡んでるらしい……」

「小十郎が行方不明!?そりゃ一大事じゃねぇか!分かった、直ぐに行くぜ!」

「ありがとう。俺達は一度小十郎君の居た世界に行って痕跡を辿ってみる。いくらディメンションクリスタルがあると言っても平行世界は無数にあり過ぎるからな……ある程度行った先を絞っておいた方が良いだろう」

「そっか……分かった。一緒に行くぜ」

「オビト……私も行く。私の回復魔法があった方が良いでしょ?」

「そうだな。頼む」

こうしてオビトとセイラは大谷と共に小十郎が居た世界に向かう事に。

「やれやれ……有無を言わさず行っちまうんだから……しっかりやってこいよ……」

クロガネはオビトの留守中にグランスタ王国を守り抜く決意をする。


だがその頃、スカーとブラウはグランスタ王国に来ていた。

「この世界ならあるはずだ……永遠の命を手に入れる方法が……」

「魔法とファンタジーの世界……確かにありそうですね……」

「よし、まずは魔王城の跡地に向かうぞ」

「ヘイ」

スカーとブラウは魔王城跡地に向かう。


その頃、ビートの世界では茂と彰が王堂と共に奏での戦士団本部に来ていた。

「皆さんお疲れ様でした」

ミューズが茂達を出迎える。

「ミューズさん何があったんですか?」

茂が尋ねる。


「こちらに……」

ミューズに連れられ付いていくと……。

ある一室に着いた。

「失礼します」

声を掛けてからミューズが扉を開けるとそこには……。

和室の中央に着物を来た小十郎が居た。

「待っておったでござる」

「ここ和室あったんだ!」

「意外だな……」

「いや、そんな事より……こちらは巽小十郎さん。どうやら別の世界から来た様です」

「別の世界?」

そして小十郎は立ち上がり茂達の方へ向かって来る。

「拙者、巽小十郎と申す。宜しくお願い致すでござる」

「はぁ……」

茂はキョトンとしている。

「あんた、何者何だ?」

彰が尋ねると。

「う〜む……何から説明して良いものか……」

小十郎は腕を組み考える。

「正直拙者にも上手く説明は出来ん。じゃが、拙者は別の世界から飛ばされて来たとだけは言える。拙者はどうもこんな事が多いんじゃ……」

「てゆーか、あんたもしかして侍なのか?」

「おっ?そうじゃ!分かるのか!」

「ああ、昔じぃちゃんと見た時代劇そのままだぜ!」

「そうか……やはりこの世界も侍はとうの昔に滅んでいるようじゃな……」

「でも何で侍が、ここに?」

「拙者が居た世界では江戸の時代妖怪が人々を苦しめておってな……その妖怪を封印したのが拙者じゃ……しかし、妖怪は現代にも復活しそれと同時に拙者も何故か蘇った……あ〜!この説明毎回するの面倒くさいでござる!?」

小十郎はイライラした様子で頭を掻きむしる。

「何なんだ……コイツ……」

「とにかく!拙者は元居た世界からこの世界に飛ばされて来たんじゃ!そしてダークブライトと名乗る輩に会わねばならんのじゃ!」

「ダークブライト!?それってさっきの!?」

「そうだ。この人とあのダークブライトには浅からぬ因縁がある様でな……」

王堂が間に入る。

「そのダークブライトって奴も妖怪なのか?妖怪にしては横文字って変な感じするけど……」

「奴は妖怪では無い。奴の使う技の数々……拙者の戦友とそっくりなんじゃ……だから何か関係があると思い奴を追って居たんじゃ……」

「戦友って?」

「現代に蘇った拙者と共に妖怪を倒した忍者……橘 来人(たちばな らいと)……。奴は妖怪を倒し拙者が日本中を旅しとる間に行方不明になった……ダークブライトから何か聞き出せるかも知れんと思ってな……」

「ダークブライトがその橘って人の技を盗んだかあるいは……」

彰が顎を擦りながら考える。

「何だよ?」

「その橘って人自身がダークブライトか……」

「……とにかく、我々も小十郎さんに協力する事になった。茂、彰頼んだぞ!」

王堂は小十郎の事を茂と彰に任せ出掛ける準備を始めた。

「王堂さんどっか行くんですか?」

「ああ、ちょっと調べたい事があってな……後は頼んだぞ」

そう言うと王堂はさっさと出て行ってしまった。

「はぁ……完全に押し付けられたな……」

彰が言うと……。

「グランディオーソにも思う所があるのでしょう。ビート、ボイス、頼みましたよ」

「はい……」

「でも、何で俺達に?」

「それはお前らが一番暇だからだろ」

そう言って出て来たのは新庄。

「新庄さん居たんですか?」

「ああ、上で休ませて貰ってたんだが、お前らの声で目が覚めた」

「なら新庄さんも手伝って下さいよ」

「悪いな。俺はこれから音楽番組の収録だ……忙しいから。んじゃ!」

新庄も出掛けて行った。

「なんか……腹立つな……」

「早く売れてぇ……」


その頃、オビト達は小十郎が居た世界に到着。

「ここだ……」

「この世界も寛太達の世界と変わらねぇな……」

「本当……」

大谷は腕に装着した装置を操作し、次元移動艇を隠す。

「よし、これで見つかる事はないだろ……行くぞ」

そう言って大谷は小十郎が消えた現場に向かう。

小十郎が消えたのはビル群が並ぶ都心部の一角の路地だった。

「ここがディメンションクリスタルの残留数値が高いな……」

「そんなの分かるんですか?」

「ん?ああ、我々もこのディメンションクリスタルを調べる内に色々分かって来た事がある。ディメンションクリスタルは一度力を使うと次元の扉を閉じた後でもしばらくはエネルギーが残留してるんだ……その残留エネルギーは時間が経つにつれ薄くなって行くが……そう多くディメンションクリスタルを使う事はないだろうからな……微力でも残ってれば探しやすい……」

「へぇ〜……」

そしてその路地に入ると。

そこには2人の女性が居た。

「小十郎……何処行っちゃったんだろう……」

「あの……」

大谷が2人の女性に声を掛ける。

「はい?」

振り向いた女性2人は……。

門倉 雪菜(かどくら ゆきな)(20才)と橘 美桜(たちばな みお)(20才)だった。

「おじさん達ウチらに何か用?」

「おじさんって……君達はここで何をしてるんだ?」

「ウチらはここで消えた人探してんの」

「消えた?もしかして君達は小十郎君の知り合いか?」

「えっ!?おじさん達小十郎知ってんの?なんたる奇跡!マジウケんだけど〜!!」

「雪菜ちゃん、ちょっと話聞いてみようよ。あの……小十郎さんは私と一緒に消えた兄を探してくれてたんですけど……」

「君のお兄さん?」

オビトが入って来た。

「ええ……ただ、途中で敵に襲われて小十郎さんとは、はぐれちゃったんですけど……」

「それで美桜ぴょんがウチに連絡くれて2人で調べてたらここに辿り着いたって訳」

「ここに辿り着いたって……良くここが分かったな」

「そりゃそうでしょ!SNS使いまくったもん!ギャルの情報力舐めない方がいいよ!」

「そ……そうか……」

雪菜に調子を狂わされる大谷……。

「あっ、まだ自己紹介して無かったね。ウチは門倉雪菜。小十郎はまぁ、ウチらのマブダチ的な?」

「私は橘美桜です。小十郎さんは戦友……みたいな?」

「もしかして君達は小十郎君の戦いを知ってるのか?」

「え?って事はおじさん達も?」

雪菜に尋ねられ大谷は身分証を出す。

「私は大谷。BLADEと言う組織の者だが、小十郎君と共に戦った事がある」

「俺はオビト。俺もだ」

「私はセイラ。宜しくね!」

「え?何この娘!超可愛い〜!!」

「えっ?えっ?」

雪菜はセイラに興味津々の様だ。

「雪菜ちゃん目的変わってるよ……」

だがそこに……。

「お取り込み中失礼……」

振り向くとそこに立って居た1人の女。

長い黒髪をなびかせ現れたその女は路地を塞ぐ。

「あんたは?」

「私はマゼンダ……巽小十郎に関わる者を消す様に指示されてるの……だから……可哀想だけど、死んで頂戴」

そう言うとマゼンダと名乗るこの女は怪人の姿に変貌。

マゼンダはシノルニトサウルス怪人となった。

シルニトサウルス怪人の口からは毒液が垂れコンクリートを溶かす。

「何コイツ……」

「安心して……私の毒でじっくり苦しめて殺してア·ゲ·ル!」

「古代生物シリーズの変身能力……組織の者か……」

「皆下がってろ!ここは俺が……」

オビトが構える。

美桜も前に出る。

「私も……」

「君も戦えるのか?」

「勿論!」

オビトと美桜が揃って『変身』

クロスセイバーと光姫が登場。

「凄い……この人も変身出来るんだ!」

なんと雪菜とセイラが同時に同じ事を言った。

「えっ?」

「えっ?」

「凄〜い!ウチら気が合う〜!!」

雪菜なテンション爆上がり。

「え、ええ……そうね……」


「行くわよ……」

シルニトサウルス怪人とクロスセイバー、光姫が戦う!


続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る