ビート&クロスセイバー〜世界を超えた決戦〜
山ピー
第1話「謎の敵現る」
暗い夜道を駆ける侍ヒーロー 星影こと
何者かが攻撃をしてくる。
「うわっ!?」
ギリギリの所で攻撃をかわす小十郎。
「くっ……何奴じゃ!?」
小十郎の問い掛けには何も答えない敵。
しかし、その姿を月明かりが照らす。
「おっ……お主は……まさか!?」
謎の敵が技を発動。
すると次元の穴が開き小十郎を吸い込む。
「くっ……こ、これは……またか!?」
小十郎は次元の穴の中に吸い込まれて行った。
「うわぁぁぁぁっ!?」
小十郎が飛ばされた先は……。
その頃、スカーとブラウはある人物の元を訪ねていた。
「ここだ……」
「スカーの兄貴、今日会うのは何者なんですか?」
「さぁな……俺はただボスの指示で来ただけだ。どんな相手かなんて知らねぇし別に興味もねぇよ……」
二人の目の前には大きな屋敷が立っていた。
スカーがチャイムを鳴らす。
「はい……」
「この屋敷の主に呼ばれている。開けろ」
「お待ちしておりました。どうぞお入り下さい」
門が開き中に通されるスカーとブラウ。
中の応接間で待っていると一人の車椅子に乗った老人が現れた。
「やぁ、お待たせしてすまない。私がここの主の大貫十左衛門(おおぬき じゅうざえもん)と言う者だ」
「おいおい、こんなじぃさんが俺らに何の用だよ?」
ブラウが笑う。
「黙れブラウ」
「へっ、へい……」
「大貫十左衛門と言えば大企業大貫コーポレーションの名誉会長だ……しかし、そんな人物が何故俺達を?」
「私はこれまで生きて来てあらゆる物を手に入れて来た。富、名声、人脈、しかし……どうしても手に入らない物があった……」
「手に入らない物?」
「永遠の命……」
「!!」
「私はもう年老い余り長くはない……しかし、どうにか永遠の命を手に入れたい。あなた方にならそれが出来ると聞いたんでね……私は悪魔にもすがる想いで君達にコンタクトを取ったと言う訳だ」
「悪魔ねぇ……。永遠の命か……確かに他の世界にならあるかも知れんな……」
「頼む!金はいくらでも用意する!だからあなた方の力で私に永遠の命を!!」
「……兄貴、どうします?」
「俺達の活動には資金が必要だ……その資金集めの為にとボスが受けたんだ。断る理由はねぇさ……」
−グランスタ王国−
ここはかつて魔王軍の侵略を受けクロスセイバーが救った世界……。
魔王軍との激闘の後、クロスセイバーことオビトは魔法使いの少女セイラと共にこの世界の復興に尽力していた。
魔王軍の攻撃で壊された民家の修理の為、建築資材を荷台に乗せて運んで来るオビト。
「おーい!お待たせ〜」
「あっ!オビトお帰り〜」
「ふぅ〜……」
オビトは荷台を下ろした。
「お疲れ様」
「おう」
「オビトご苦労さん。ここからは俺達の仕事だ。お前は少し休んでな。よーしおめぇら!資材が届いたぞー!仕事だー!」
大工の棟梁が資材を受け取り仕事を始める。
「はい、オビト」
セイラはオビトに水を差し出す。
「サンキュー!」
オビトとセイラは小高い丘に上がりグランスタ王国を見渡している。
「大分復興してきたね」
「ああ、この一年皆で頑張ったからな……でもまだまだ避難所生活で家に帰れない人が沢山いる。早くそんな人達の為にも元通りにしないとな……」
「魔法で家が建てられたらいいのにね……」
「それが出来たら苦労しないって……」
そこへ一人の若者がやって来た。
「オビトー!!大変だ!直ぐに来てくれ!!」
「ん?どうした?」
「魔王軍の残党共がグランスタ王国に近付いて来てんだ!アイツら恐らく俺達の物資や食い物を狙ってる!」
「何だって!?ったく、懲りない奴らだな……」
オビトは立ち上がる。
「ペガちゃん呼ぶわ」
「ああ!」
セイラはペガサスのペガちゃんを召喚。
オビトとセイラはペガちゃんの背中に乗り魔王軍の残党の元へ行く。
この一年、魔王軍が壊滅してからオビト達は復興活動に尽力する傍らディアボロス亡き後も人々を苦しめる魔王軍の残党達と戦い続けていた。
グランスタ王国の入口の前に既にクロガネ達王国騎士団が構えていた。
「クロガネさん!」
「おっ!オビト、セイラ!わざんざ来なくても良かったのに」
「そんな訳に行かないよ」
「フッ……そうか。来るぞ!!」
グランスタ王国に魔王軍の残党が数体近付いて来る。
オビトとクロガネは『変身』
オビトはクロスセイバーに、クロガネはパラディンオブナイトにそれぞれ変身し、魔王軍の残党を迎え撃つ。
その頃、音楽の戦士ビートこと音崎茂は同じく音楽の戦士ボイスこと歌川彰と共にノイズラー出現の連絡を受け現場に向かっていた。
現場に着くとそこに居たのはタンバリンから誕生したタンバリンノイズラーだ。
「今日のはタンバリンか……よし、さっさと倒すぜ!」
「ああ、行くぞ!」
茂と彰はそれぞれの楽器を呼び『変身』
ビートとボイスが登場し、タンバリンノイズラーに挑む。
ビートとボイスがタンバリンノイズラーと戦い、また別の世界ではクロスセイバーとパラディンオブナイトが魔王軍の残党と戦っている。
この2つの世界のヒーローが出会う時、新たな戦いの火蓋が切って落とされる。
ボイスは必殺技『ボイスインパクト』を発動。
それに合わせビートは必殺技『ロックスターブレイク』を発動。
2人の必殺技でタンバリンノイズラーを倒す。
「よっしゃ!やったな!」
「ああ」
だがその直後、2人は何者かの攻撃を受ける。
ビートとボイスに向かって無数の手裏剣が投げられる。
「うわっ!?」
「何だ!?」
ビートとボイスは距離を取り手裏剣をかわす。
2人の前に現れたのは……。
真っ黒な姿をした謎の戦士。
「お前は……何者だ!」
ビートが尋ねる。
「我が名はダークブライト……闇と共に訪れヒーローを抹殺する者だ……」
「何っ?何言ってんだコイツ……」
ダークブライトと名乗るその戦士はビートとボイスに襲い掛かる。
「うおっ!?」
「コイツ……本気だ……」
ビートとボイスは応戦。
だが、2人掛かりでもダークブライトの強さの前に苦戦する。
ダークブライトはその素早い動きで2人を翻弄する。
「クソッ……手裏剣といいこの動きといい……忍者みたいな奴だな……」
ビートがそう呟くと……。
「如何にも」
ダークブライトは答えると背中に背負っていた刀を抜く。
「今度は刀かよ……」
そしてビートとボイスに迫る。
「ちょっと待ったー!!」
ビートとボイスのピンチにグランディオーソが、駆けつける。
「グランディオーソ!!」
「何で?」
「ちょっと訳ありでな。コイツを下手に倒す訳にも行かなくてな」
「えっ?」
「奏での戦士団最強の戦士グランディオーソか……流石に分が悪いな……」
ダークブライトは姿を消す。
「消えた……グランディオーソ……何か知ってるんですか?」
「俺もまだ詳しくは知らないがな……とにかく本部に来てくれ」
グランディオーソに言われ、奏での戦士団本部に戻るビートとボイス。
その頃、グランスタ王国ではクロスセイバーとパラディンオブナイトが魔王軍の残党を全滅させていた。
「ふぅ〜やっと片付きましたね」
「ああ。しっかし……後どれだけ居るのやら……」
「2人共お疲れ様」
セイラがクロスセイバーとパラディンオブナイトに声を掛ける。
2人は変身を解除。
「セイラちゃん、援護助かったぜ」
「えへへっ」
「そういえばセイラの攻撃魔法も威力が増してたな」
「うん、私もこの一年修行を積んできたからね」
「2人が立派になってオーヴェルさんも喜んでると思うよ」
3人がそんな話をしていると空に次元の扉が開いた。
「何だ?」
現れたのは小型の次元移動挺。
「あれ?もしかして!」
オビトが近付いて行く。
すると中から現れたのはBLADEの隊長の大谷だった。
「よぉ、久しぶりだなオビト君!」
秘密調査機構BLADEの大谷がやって来たと言う事はまた何やら次元を超える大きな事件が起ころうとしているのだろうか?
続く……。
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