モヤモヤの告白……え?! 違うの?!



「うげぇー、まだ口の中不味いんですけど!! 私の料理ヤバすぎない?!……同じ材料で美味しいものが出来るなんて、信じらんないね、これは」


────カチャカチャ


「でもまぁ、何とか完食して……良かった良かった」


「いやーほんと、プレゼントにこんなもの出すなんて、私もどうかしてますわー……。うぅ……」


「……で、でも! わたし様のプレゼントは大成功だったでしょ?! 今や百万人越えの大人気VTuberの限定配信……というか、独占配信なんだよ?? 自分で言っちゃうのはアレかもだけど……えっ、百万人超えって大人気って言っても良いよね?! ねっ?!」


「……あー! もうこの話終わり!……洗い物も終わり!!」


「はぁ……また一つ黒歴史を作っちゃったよ……。最近失敗多いなぁ……」


「……」


「……あっ、君のせいじゃないからね? 私が今更自分の気持ちにからっていうか、……と、とにかく! 君はこのわたし様の事に気負わなくて良いので!! い……以上!!」


────トスッ


「ん……それより、もう寝ちゃっても良いんだけど……ちょっとだけダラダラしない?」


「あ、寝るのとダラダラの何が違うのーってツッコミは無しね。……ちょっと、私が一方的に話したい事だから……聞いてくれる?」


────トントントントン


「……あっ、ついいつものクセで指トントンってしちゃった。この音、好きじゃない人も居るから気をつけてたんだけど……やっぱり緊張すると、ついやっちゃうなぁ……」


「……あっ」


「緊張ってのは、その……」


「……」


「……。ま、いっか……」


「あのね、この前君んとこ来た時なんだけどさ……いつもみたいに、遠慮も無しに扉開けて入ってったら、その……」


「知らない女の子が居たんだよね……」


「……」


「……あっ、別にさ? 君に彼女が居たって、咎めはしないんだよ?……それこそ、私は君の彼女でも何でも無いんだし……」


「でも……さ」


「……言ってくれたって良いじゃん。少なくとも、かなーり仲良しの友達位までは、君の中でなってれば良いのになーって、私思ってたんだし……私の中の君の順位だって、めちゃめちゃに高いんだよ? だから……」


「……ん?」


「えっ、待って……あれっ?!」


「ちょ……ちょっとまってね」


────ドタバタ


「……」


────トスッ


「えー……大変申し訳ございませんでした……」


「……で、でも! 言い訳させて!!」


「だってまさか……壁にかけてあるロングコートが、スカートの女の人に見えたとは思わないじゃん?!」


「はぁー……! 私のバカ……っ!!」


────コソッ


「それじゃ、知らない女の人が居るって思って、飛び出して行く事無かったんだ……ほんとバカ……」


「……」


「うぅ……これはさすがに恥ずかしすぎるよぉ……」


「こればっかりはほんっっっとぉーに内緒だからね!! ほんとに!!」


「でもさでもさ、しょうがなくない?……ってか、普通にあるよね?? 壁にかけてある服が人に見えてドキッとしちゃう事……」


────ボソッ


「あぁー、そっかぁ……あの時は気づいたのもあって君周辺の事に敏感だったから、余計にそう見間違えちゃったのかぁ……」


「……」


「……んぁ? あれ? もしかして今の……声に出してた??」


「……出してないよね? だよね?……よし!」


「……。でも……良かったぁ……」


「……」


「ふぁ……安心したら、何だか眠くなってきちゃったなぁ……」


「……」


「……」


「……あっ!」


「あ、ごめん、大きな声だして……」


「……でもね! いい事思いついたの!」


「『私』からのプレゼント、結局失敗しちゃったでしょ? さすがにそれでおしまいってのも印象薄いし……それに、どうせなら、忘れられない記念日にして欲しい訳ですよ」


「だから……ね」


────ゴクッ


「『私』からの挽回……本物のプレゼントは、今夜の添い寝……とか、どうでしょうか……?」

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