料理下手だけどクッキングする
────カッカッカッ
「お、やるじゃん私! 家庭科でやった位なのに結構出来るもんだね〜。……ま、元々器用な方だし??」
────カッカッカッカッカッ
「……」
────カッカッカッ
「……みじん切りする時の包丁とまな板の当たる音、結構好きなんだよなぁー……っと! よし、これは終わり!」
────カチャカチャ
────ガシャンッ
「ぅわっ!!……っと、セーフ……」
────ガタッ
────シャーッ、シャーッ
「〜♪ ピーラーの音も良いよね〜、料理してるって感じするし!」
────シャーッ
「え?? 私、実は料理上手なんじゃね??? 今まであんまり成功した思い出無かったけど……才能アリ? 才能アリ?? 今更開花した感じ??」
────タッタッタッタッタッ
「……ん! これで全部切れたかな!」
「お鍋に入れて〜……っと、……えーっと? こんな材料あったっけ……」
────ガタガタ
「んー? 無いなぁ……」
「……しゃーない、代わりになるやつあるか調べるか!!」
「……」
「お! やっぱりネットは便利だなぁー!……代わりにこれを大さじ……ん? 大さじってどれだろ。……これ? かな……」
「まぁいいや! こんくらいでしょ!……んでー? 次は弱火……弱火? どんくらい?」
「あーもう! レシピって何でこう微妙な表現使うのかなぁー?!……こんくらいで良いでしょ! もう!」
「……んで? 隠し味?……こんなの一般家庭にある訳無いでしょー?! 代わりになるもの代わりになるもの……。これも無い! じゃあこれの代わりになる物はー……? 辿ってったらいつかあるよね……?」
「……」
「……えっ、これ入れるの……?」
────カタッ
「ま、まぁ、代わりになるって書いてあるんだし……大丈夫……だよ、ね……?」
「う、うん! 大丈夫大丈夫! 多分……っ!……わたし様が弱気になってどうするんだよってねぇーっ! あはは……」
────サッサッサッ
「ふぅ……メインのはこれでしばらく火にかけてれば完成……かな!……そ、そーだ! サラダ作ろ! サラダ!!」
────ガラガラ
「うんうん! 冷蔵庫にキャベツ……レタス? いや、キャベ……ツ……?……あー……葉っぱ! 葉っぱあるし!!」
────シャキシャキ
「何枚くらいがちょうど良いのかなー?……まーいいや! お皿に一回入れてみて、入る分にしよ!!」
────シャキシャキシャキ
「……あっ、何か葉っぱたくさんもぎっちゃったかも……」
「……」
「ま、まーいいや! 私、今日は何だかサラダ山盛り食べたい気分だし?? ってーぇ、言ってる間にお鍋の方はどうかなぁー?……って!! 焦げてるし!!!」
「あちゃぁ……。……か、かき混ぜて誤魔化せば、ギリセーフ……だよねっ?」
「うんうん! 元々味濃いものだし……おこげもいいアクセントになってくれる……ハズ!……よし! 混ぜよう!!」
────グツグツ
「……うん! 見た目は完璧! 美味しそう!……さっすが私!!」
────カチャッ
「お皿に盛り付けてー……っと。……よし!」
────タッタッタッ
「出来たよー!!……どうかな?」
「あっ、先全部運んで来ちゃうね。ちょい待ち〜」
────カチャカチャ
────タッタッタッ
「……ん! お箸もスプーンも、サラダも持って来たし、これで準備万端だね!!」
「んで……もう分かってると思うけど、私からのプレゼントは……手料理でしたー!!」
「お砂糖とお塩入れ間違えるとかはさすがにやってないと思うんだけど……い、一応、頑張ったんだし、ちょっとは多目に見てよ……?」
────パンッ
「……よし! じゃー、いただきまーす!!」
────カチャッ
「はむっ……」
「……んぐっ?!」
「げほっ、ごほっ……な、なんじゃこりゃぁっ……!! 口の中全部焦げの味で……不味っ!! 不味ーっ!!!」
────ドタバタ
────ゴクゴク
「ぷはーっ……こ、これは……ご、ごめん……プレゼントってゆーより、罰ゲームみたいになっちゃったね……」
「……あははっ。でも……優しい君なら、私がどんなヤバいの作っても、美味しいって言って食べてくれるって……分かってたよ」
「でも、ちょっとこれは意地悪過ぎたかなぁ……不味いの作ろうとして作ったんじゃないんだけど……ごめんね」
「はぁ……やっぱり私、君が居ないとダメダメだなぁ。……あ、でもね! 頼ってばかりが良いって訳じゃなくて、さ……」
「……今度みっちり教えてね、君好みの味付けの料理」
「あっ、その前に基礎を練習しろって思ったでしょ? 分かってますーぅ!!」
「だから……頑張るから、絶対絶対付き合ってよね!!」
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